アルバイト日誌「自分と他者(2)「私らしさ」が生まれてくる根源」(2022.3.10、れい)

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 先月のアルバイト日誌に書いたように、人は「他者」とどう関わり生きていけば良いのか、というテーマに興味を持っています。自分で考えあぐねても...と思い、文化人類学の本を読み始めたところです。

 人は、自信の有無を抜きにしてもそれぞれに「私」たり得るものを持っていると私は考えています。それは性格、得意不得意や好みなど多岐に渡りますが、それら個性は、誰もが一度は意識したことがあるのではないでしょうか。

 ただ、社会のすべての事象は、「他」があるからこそ定義されるという面もあります。例えば、「○○は先駆的な作品である」と言った時、その「先駆的」という特質は他の作品との比較したために明らかになるものです。そう考えると、人の「個性」というものも他者と比較した上で反照されるものなのでは?と思ってしまいます。個性が、他との関係の上に成り立つ存在であったとしたら、素直に寂しさを覚えます。特に、他者に対する優位性によって確立する自己があったら、それは信じたくないですし、抗いたいと思います。

 しかしながら、私自身、個性、アイデンティティなるものは、他者との比較だけで生まれたものではないという実感もあります。例えば、努力して結果に結びついた時の達成感や有用感は、私の中から生まれたものに違いないのです。

 おそらく、個性、もっと範囲を広げれば「私らしさ」というものが、私自身から生まれるものと、他者との中で出会うもの、両側面あると思うのですが、私は今、その不確かさの中で揺らいでいます。

 その問いは簡単に解決できるものではありませんが...、一つ考えられるのは、「私の考え」が生まれてくる根源は「学ぶ」ことに帰結していくのではないか、ということです。多様な事象を自分の目で見聞きし、学び、経験することで初めて自分の意見が生まれ、そこに「私」たり得るものが形成されていくのではないかと。この春からも学問・研究の場に参加する私ですが、「学ぶこと」が人にとっていかに大切であるか、改めて感じています。