東京大学ヒューマニティーズセンター:「見る雑誌」の誕生──近代日本における雑誌写真の展開と『主婦之友』の写真表現(2022年3月4日(金)17:30〜19:30、Zoom)※要申し込み
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●公式サイトはこちら
https://hmc.u-tokyo.ac.jp/ja/open-seminar/2022/56-visual-magazine-shufunotomo/
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
日時:2022年3月4日(金)17:30 - 19:30
場所:Zoomオンライン開催
報告者:前島 志保(東京大学大学院総合文化研究科・教授)
申込:3月2日(水)締切
主催:東京大学ヒューマニティーズセンター
写真が大量印刷できるようになってから、雑誌は写真画像を誌面に積極的に取り入れていきました。明治末期の日露戦争期には、絵画と写真を多く含む「画報誌」と呼ばれる雑誌が次々と刊行されます。さらに、大正後期から昭和初期にあたる戦間期には、女性向け雑誌(婦人雑誌)が誌面に多数の写真画像を掲載し、画報誌の独自性を脅かすまでになりました。従来、「見る雑誌」への変化は戦後の『平凡』などの娯楽雑誌からと言われてきましたが、その動きは実はそれよりも早くから進行していたのです。この流れを先導していたのが『主婦之友』でした。
では、明治末期から昭和初期にかけて、雑誌における写真の位置付けはどのようなものだったのでしょうか。雑誌にはどのような写真企画が掲載され、そこではどういった表現が用いられていたのでしょう。人々はそこからどのような楽しみや情報を得ていたのでしょう。戦間期の婦人雑誌が写真に力を入れるようになった背景には、どのような事情や思惑があったのでしょう。そして、その写真企画は人々にどのような「写真の読み方」を教えていたのでしょうか。
今回は、写真史研究においても出版史研究においても軽視されがちだった雑誌写真に焦点を当て、明治末期から昭和初期における雑誌写真の流れを概観したうえで、戦間期『主婦之友』の「見る雑誌」への変貌とその写真企画の表現の特徴を、他メディアとの関りにも目配りしながら、考えたいと思います。