中本真人『なぜ神楽は応仁の乱を乗り越えられたのか』(新典社選書109)

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中本真人さまよりいただきました。

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184頁・B6判
定価:1350円+税
ISBN978-4787968593 C1373

■新潟大学 中本真人研究室
【新刊情報】中本真人『なぜ神楽は応仁の乱を乗り越えられたのか』。
https://ameblo.jp/nakamoto-geino/entry-12700889759.html

■内容
応仁の乱によってすべての朝儀が停止する中、真っ先に再興されたのが内侍所御神楽であった。
非常事態に文化を維持すべく公家たちはどんな行動にでたか。応仁の乱を「神楽」という視座からたどる。

■目次
はじめに

I 内侍所御神楽を守った三人の公卿
禁闕の変
伏見宮家の避難
綾小路有俊
甘露寺親長
四辻季春

II 応仁の乱と内侍所遷座
後土御門天皇と三種の神器の室町殿遷幸
全面的に中断した朝儀
劣悪な環境だった東軍
南朝末裔の上洛
疫病の蔓延
譲位を訴える後土御門天皇
室町殿における内侍所の新造
御神楽に向けた動き
内侍所御神楽の催行

III 中世の内侍所御神楽
『建武年中行事』に記された内侍所御神楽
天皇の御所作も行われた内侍所御神楽
南北朝の動乱と内侍所御神楽
神鏡不在の内侍所御神楽
室町幕府に全面的に依存した北朝の朝儀

IV 没落する公家、活躍する公家
没落する名門公家
洞院家の衰退と断絶
王朝時代より郢曲を伝えた松木家
楊梅家・平松家の断絶
綾小路邸の火災と文書・楽器の焼失
綾小路有俊の権威
綾小路俊量の憂鬱
綾小路家の断絶
四辻季春の活躍
四辻一族の御神楽所作
鷲尾隆康の内侍所御神楽所作

V 内侍所臨時・恒例御神楽の再興
文明五年正月の内侍所御神楽をめぐる動き
文明五年十二月の内侍所御神楽をめぐる動き
文明六年正月の催行に向けた動き
内侍所臨時・恒例御神楽の催行
三条西実隆のみた内侍所御神楽再興
賢所の神事最優先の理念
伏見宮家の精神
後土御門天皇の音楽活動

VI 乱世を乗り越えゆく内侍所御神楽
応仁の乱後の内侍所御神楽
途絶えた幕府の献金
天皇と禁裏小番
禁裏小番と内侍所御神楽の所作人
内侍所を警固した禁裏小番
内侍所信仰の変化
甘露寺元長にみられる公家の変化
御神楽に参入した持明院家
御神楽の裾野を広げた綾小路家

主要参考文献
あとがき

■著者プロフィール
中本 真人(なかもと まさと)
1981年5月 奈良県北葛城郡新庄町(現・葛城市)に生まれる
2005年3月 慶應義塾大学文学部人文社会学科国文学専攻卒業
2012年9月 慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程修了
学位 博士(文学・慶應義塾大学)
現職 新潟大学人文学部准教授
主著 『宮廷御神楽芸能史』(2013年,新典社)
『宮廷の御神楽―王朝びとの芸能―』(2016年,新典社)
『内侍所御神楽と歌謡』(2020年,武蔵野書院)