アルバイト日誌「日本近世文学会のシンポジウムに参加して」(2021.06.13、れい)

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 お久しぶりです...!すっかり6月も半ば、もう1年の半分近くが過ぎてしまったのかと驚きが隠せません。残りの半年、一つ一つしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 さて、私は昨日行われた日本近世文学会の春季大会シンポジウム「デジタル時代の和本リテラシー古典文学研究と教育の未来」に参加してきました。非会員の人でも参加できると聞いた時、学部の私でも良いのかと不安になったのですが、先生方のお考えをお聞きできる貴重な機会、思い切って申し込んでみました。600人を超える申し込みがあったとのことでしたが、遠方に住んでいる方、私のように(直接赴くのは)緊張する故ハードルが高いと感じる学部生にとって、Zoomでの開催は転機になったと思います。もちろん、どんな会においても直接お顔を合わせるに越したことはないのですが...、私のような者にとっては、オンライン開催していただくことで参加しやすくなりました。またハッシュタグ#kinsei2021から、先生方や皆様のご意見をほぼリアルタイムで読むことができたため、そちらも大変勉強になりました。

 シンポジウムを聞いて、真っ先に感じたのは、AIをはじめとするデジタル技術は人が実物(資料、モノ)を見ることに勝ることはない、学ぶ主体はいつも私たちにある、ということです。更に、佐々木先生が「双方向であること」、モレッティ先生が「ともに学ぶことの大切さ」とおっしゃっていた点から、知る、分かる、学ぶという営みは常に一人では成しえないということも痛感しました。その上で、研究、教育、教養、それぞれの学ぶ場について考えた時、それらは繋がっていることを前提としつつ、何を目的とするかによって区別することも必要なのだと感じました。将来、古典教育に携わりたいと考えている私にとって、「研究」と「教える」ことがどのように結びついていくか、その中でデジタル技術をどのように生かすことができるのかという点は常に考えていかなければならない課題です。今回、最先端の研究を知るとともに、和本リテラシー、更に古典に関して様々な方向性から考えを深めることができました。また、宮川先生の翻刻方針の対立と両立では、今まで注釈書を読んでいて無意識に感じていた違いが私の中で明確になったことも、大きな学びでした。

 今回、先生方のご発表についていくのが必死でしたが、少しでも知識を増やし、引き出しを多く持つことは大切だと感じています。デジタルやAIという特に不勉強な分野と、近世を専門にしていないという点から、拙く、曖昧な感想だったかと思います。その点、ご容赦いただけますと幸いです。