伝承文学研究会 第469回東京例会(2021年5月15日(土)14:00〜16:00、Zoom)※要申し込み

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://densyouken.exblog.jp/28552345/
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※申し込みは上記サイトをご確認ください。


第469回 東京例会
《Zoomによるオンラインで開催します》

日時:2021年5月15日(土) 14:00〜16:00
内容:《研究発表》
   東寺寶菩提院旧蔵(カ)『灌頂印明秘密』一軸―紹介・奥書―をめぐって
              牧野和夫 氏


::::発表内容紹介:::::

既に寄稿済みであるが、拙文「嘉元・徳治・延慶期頃の兼好周辺について」(近刊予定とうかがっている)の「初めに」において、次のように記した。「八幡善法寺僧本円の自筆・伝領(その師八幡善法寺〈生駒竹林寺とも〉性心自筆本など)の典籍類で構成される三宝院流典籍が弟子の賢宝の手を経て東寺(或いは八幡善法寺)に一括伝授襲蔵されていたこと」が近時明らかにされつつあることに注意を喚起したが、「(本円伝領の典籍類の内、益性から善法寺・竹林寺性心への『澤見鈔』伝授書など、東寺観智院現蔵の相承を同じくする系統の聖教類〈文保二年の東寺観智院現蔵分については既に福島金治氏「仁和寺御流の鎌倉伝播―鎌倉佐々目遺身院とその役割―」〔『(守覚法親王と/仁和寺御流の)文献学的研究 論文篇』勉誠社 1998・2〕に東寺観智院蔵聖教『目録』を以て指摘がある〉と併せて注目される)。その時、留意されるのが、称名寺現蔵の益性関係資料群であり、在京の金沢流北条貞顕をめぐる「律」僧の「動き」との連関である」と既述し「すべて今後の課題として」その詳細を省いた。この十四世紀前期の「律僧」(十三世紀後末期から十四世紀初頃の戒壇院系「律僧」が軸になって展開)の絡む御流伝授の「場」が齎す相承の「動き」は看過し得ない重要なものである。ここに若干の資料を紹介する次第である。なお、はじめに、「嘉元・徳治・延慶期頃の兼好周辺について」の一部を紹介する。

参考文献(発表者分のみ)
「「秀範―聖海」の相承血脈をめぐって―十三世紀中期頃の「動き」を探る」(『実践国文学』96号〈2019・10〉)
「「秀範―聖海」相承(地方拠点寺院蔵)資料の周辺―近時過眼資料の紹介と展開―」(福田晃氏編『唱導文学研究』12集〈2019・11 三弥井書店刊〉)
「善通寺蔵『陀納極深密口決』の逓蔵過程を巡って―良含・澄豪相伝本」(『寺院文献資料学の新展開』第5巻〈2020・3 臨川書店〉)
「再び、中世文学史の一隅―「秀範」を軸に―」(『仏教文学』45号 2020・4)等」