名古屋大学大学院人文学研究科:第19回言語学分野公開講演会「日本語の有対動詞と言語類型論」プラシャント・パルデシ 氏(国立国語研究所教授)(2021年1月21日(木)午後1時〜2時30分、オンライン)
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https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/event/event-sub2/post-27.html
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第19回言語学分野公開講演会
日本語の有対動詞と言語類型論 講師:プラシャント・パルデシ先生
(国立国語研究所教授)
日時:2021年1月21日(木)午後1時~2時30分
オンライン開催 登録URLは後日お知らせします。 参加費無料
主催:名古屋大学大学院人文学研究科言語学分野
共催:名古屋大学大学院人文学研究科日本語教育学分野 後援: 言語学・ウィズ(with)・コロナ時代の人文学研究・言語研究の公開(オンライン)講義プロジェクト
日本語を含む世界諸語において、「美容師が髪を乾かす」↔︎「髪が乾く」のように、形態的に関連があり、(i)典型的に事態の変化およびその変化を引き起こす原因(使役者)の意味を含む動詞(使役 動詞; causal verb)と(ⅱ)事態の変化の意味のみを含む動詞(非使役動詞:non-causal verb)との対をなす動詞が多数見つかることが知られている(日本語の「開く:開ける」、「裂ける:裂く」、 「始まる:始める」、「開く:開く」、など:以下有対動詞と呼ぶ)。言語類型論の分野では、有対動詞についての活発な議論が行われており、多言語データに基づいて行われた大規模類型論的な研究では以下の興味深い一般化が提案されている。
1 当該有対動詞の認知的な意味と派生の方向性に関する一般化(以下有対動詞の認知類型論的な一般化)(Haspelmath (1993))
2 当該言語の地理的な位置と派生の方向性に関する一般化(以下有対動詞の地理類型論的な一般化) (Masica (1976)、Nichols et al.(2004))
上記の一般化は、数名の限られた研究者によって行われた研究(データの収集・分析)の結果、導かれたものである。本発表では、国立国語研究所で開発されたThe World Atlas of Transitivity Pairs (WATP)を用いて、上記の2つの一般化の妥当性を検証する。また、日本語の先行研究から、少数の有対動詞のデータに基づいて行われる大規模類型論的な研究が孕(はら)む問題点や見落としがちな落とし穴を明らかにする。