Historians' Workshop:一般向け連続講座「伝記の読み方を考える」第2回(2020年12月19日(土)17:00〜19:00、YouTube(後からの視聴も可能))
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●公式サイトはこちら
https://historiansworkshop.org/2020/11/26/reading-biographies-2/
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開催日時 2020年12月19日(土)17:00-19:00
17:00-17:30 司会による趣旨説明
17:30-18:30 水谷さんご講演
18:30-19:00 Q&A
配信方法 東京大学人文情報学(UTDH)のYouTubeチャンネルにて配信
(後からの視聴も可能)
参加費 無料
参加登録 不要
ある作家----芸術家、音楽家、小説家、詩人、あらゆるクリエイター----の作品について解釈するときにまずすることの一つは、作品が制作された背景を調べることでしょう。当時の社会事情、浸透していた思想、関連しそうな出来事なども大切ですが、作家が考えていたことを探るため、伝記を読む人も多いはず。しかし、伝記に書いてあることを、そのまま作品解釈の助けにしてよいものなのでしょうか。
また、作家に、あるイメージが付随していることがあります。富や名声に興味を示さず真の芸術を求めて自らと向き合った作家、生涯にわたって頻繁に浮名を流した愛多き作家、生前は理解者に恵まれなかったけれど、没後に大きな名声を手にした作家......。そうしたお決まりのイメージの形成に、伝記はどのような役割を果たしてきたのでしょうか。
第2弾では、江戸時代の絵師円山応挙を取り上げます。円山四条派の祖として名高い応挙の画業は、同時代の読本作者である上田秋成が書き残しているように、しばしば「写生」と結び付けられます。応挙が自然観察を重視していたことは、もちろん残された作品から跡付けることもできますが、彼について伝えられた逸話の数々もまた「写生の絵師応挙」というイメージ形成に重要な役割を担っていました。
今回は、そうした応挙の伝記における逸話の機能について、京都国立博物館の水谷亜希さんにお話しいただきます。また、司会を務める古川萌が西洋の芸術家伝の例を提示することにより、洋の東西のちがいも浮き彫りとなるでしょう。