第6回日本語の歴史的典籍国際研究集会(Youtube・Zoom、2020.11.08)でのライブ配信について(付・登壇者へ事前に伝えておくべきこと)

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

IMG_3917.jpg

文学通信は学会等のライブ配信を業務として請け負っております。学会の中継配信等をお考えの方はこちらをご覧下さい!

弊社のその他の配信実績もこちら。Zoom等の記事も紹介しています。

以下では、Youtube・Zoomでのライブ配信について紹介します。
配信に使用したパソコンはMacで、拡張モニターとしてiPadを使用。

■イベント名
第6回日本語の歴史的典籍国際研究集会
https://www.nijl.ac.jp/pages/cijproject/sympo2020.html

■配信場所
国文学研究資料館

■動画アーカイブ
後日国文学研究資料館から公開予定

今回はZoomで行ったものをYoutubeLiveで配信するという方式でした。
事前参加登録者には質疑応答をすることができ、そうでないものは視聴のみというかたちです。

配信を国文学研究資料館で行ったため、Mac Book Air(Retina,13-inch,2019) =(モニター用)、iPad(モニター用)を持参。

全般的にほぼ自分の知りうる情報で配信を完結することができたため、気を使う作業で緊張しましたが、難しいものではありませんでした。
弊社では、配信設定、配信中の各種挙動のチェックを行いました。
また、運営の助言をいくつか行いましたが、実質的に進行を仕切るところまではしていません。

■発生したトラブル

今回発生したトラブルは以下2つです。

1.登壇者の画面共有が行えなくなり、進行が滞った。
2.登壇者のマイクがオンにならなかった。

このうち、1番目については、配信後確認したところ、「画面共有までは行けたが、パワーポイントが出てこなかった」ということでした。2番目は確認はしていないのですが、ヘッドセットを一度抜き差ししている可能性が考えられます。
いずれも、仮に事前リハーサルで音声チェック・画面共有の確認を行ったとしても、本番できちんとできるかというと、そうでもなさそうです。
リハーサルをやるにしても、その段階でやはり起こりがちなトラブルの例をいくつか伝えておいた方がよさそうです。
以下、リハーサルをやる場合、事前に登壇者に確認すべきことと、伝えておくべき起こりがちなトラブルを書いておこうと思います。

■事前に登壇者に確認すべきこと

・以下、リハーサル時に確認

【Zoomが最新版であるか確認】
以下で現在のバージョンを確認し、登壇者に最新版にすることを要請。
https://zoom.us/download#client_4meeting
Zoomによる最新版リリースノート
https://support.zoom.us/hc/en-us/sections/360008531132

【自宅のネットワークスピードの確認→LANか無線か?】
https://fast.com/ja/ 等で、有線LAN・無線LANどちらが早いか確認し、早い方で参加してもらう。
※ただし時間帯や、家族のネットワークの同時利用など読めない部分があります。
※有線LANの方が早い印象がありますが、古いルーターを使っていたり、LANケーブルのカテゴリーによってはむしろwifiの方が早い可能性もあるので、基本的には本人に任せる部分ですが。

【音声について】
リハーサル時に、少しでも音がくぐもっていたり、不安定だと感じた場合は、遠慮せず伝える。

そう感じた場合、使用しているヘッドセットがどんな状態か確認し、それ以外の選択肢(別のヘッドセットにする、パソコン自体の音声入力を試してみる)を探り、より良い方で参加してもらうよう伝える。

登壇者が複雑な設定をしていることが予想される場合(たとえば学会の会場校などで、ミキサー等を利用し、1つのアカウントで複数人を切り替えて参加しているなど)は、その設定も確認し、アドバイスすることがあれば、する。

【カメラについて】

あまりに暗い場合のみ、伝えて明るくしてもらう(ただし、暗いことで多くの場合、大きな支障はない)。

■伝えておくべき起こりがちなトラブル

【画面共有=ZoomとPPT(パワーポイント)の仕組みだと、ディスプレイドライバの違いによって、うまく動作しないことがあり得る】

「第6回日本語の歴史的典籍国際研究集会」では資料館の担当者がPPTで休憩時間に「画面にタイマーを挿入」したものを動作させていましたが、このアニメーション機能はZoomでは正常に動作していませんでした。

それ以外にもさまざまなトラブルの可能性があるので、リハーサル時に使用予定のPPTの挙動をチェックすることは必須です(PPTが複雑に作られていればいるほど)。

【画面共有=複数のウィンドウを開いているときに目的の画面が出てこない!】

・登壇者がZoomで画面共有を行うとき、仮にその登壇者が複数のウィンドウを開いている場合、選択画面は以下のようになります(windows)。

9Snt-FfK.jpg

この時点で選択する画面が出てこない場合は、右下の「すべてのウィンドウを表示」をクリックします。すると、

sSbmWah-.jpg

このような画面になります。ここでも出てこない場合は、画面右の「縦スクロールバー」を使って下にスクロールします。

ですが、最初の画面で「すべてのウィンドウを表示」に気がつかなかったり、2つ目の画面の「縦スクロールバー」に気がつかないと目的の画面にたどり着けません。登壇者が使用しているパソコンの画面が小さければ小さいほど、たどり着くのが困難になりそうです。これは意外と気づかないかもしれません。

こういったことがあるので、登壇者には、多くの画面を開かず準備・待機するように伝えておいた方がよさそうです。

【画面共有=共有した動画の音声がでてこない!】

9Snt-FfK.jpg

画面共有する際に、画面左下の「コンピューターの音声を共有」をチェックしてから共有してください。登壇者の多くがよくミスしてしまう事例です。

【突如、音声がつながらなくなった!】

・登壇中、事情があって、ヘッドセットを外したりした場合は、Zoom→設定→オーディオから、使用したいデバイスを選択し直してください。

2020-11-08 12.32.13.jpg

ただ、パソコンによっては、Zoomで設定したデバイスがすぐにパソコンに反映されないことがあります。Macの場合だと、システム環境設定→サウンド、でデバイスを変更できるのですが、それがなぜか連動しない場合があったりします。自身のパソコンの癖を見きわめて、音声トラブルが起きないように注意してください。

最初に上手くいった設定を、登壇中はなるべく変更しないようにするのが良いかと思います。

■配信ホスト、あるいは司会の役割

これまでいろいろZoomの配信をしてきましたが、昨日までちゃんと考えていなかったことです。
登壇者が最初に発声するのは、

「ちゃんと聞こえてますでしょうか」

という一言がとても多い、ということです。

この裏にあるのは、自身の環境設定の不安であったり、運営サイドへの何らかのメッセージであったり、視聴者へ対する配慮であったり、さまざまな意味が込められていそうです。

この不安――登壇者にとっても視聴者にとっても――を解消すべく、円滑に運営していくのが、ホスト・司会の役割だろうと思います。こういった場合、ホスト・司会は積極的に関与し、「大丈夫です!」「聞こえています!」など、チャットだけではなく、声をだしていってもよいのではないか、と感じています。もちろん開催しているイベントの種類にもよるのですが(緊張感のある学会なのか、少しゆるやかなシンポジウムなのかでも違ってくるとは思います)。

なるべく登壇者・視聴者に好印象を残すイベントに仕上げていきたいものです。

※以上、画面共有の画像提供と、上記の内容の一部は @knagasaki 先生に伺った部分を含みます。ありがとうございます!

※上記以外にも注意しておきたいことはあると思います。情報提供歓迎いたします! @BungakuReport までメンションを飛ばして下さい。お待ちしております。