小川剛生『徒然草をよみなおす』(ちくまプリマー新書)

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小川剛生氏より頂きました。

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定価:本体800円+税
Cコード:0295
刊行日: 2020/10/07
判型:新書判
ページ数:192
ISBN:978-4-480-68385-4
JANコード:9784480683854

「無常観を主題とした遁世者の随筆」と言われがちな「徒然草」。でも昔の人だって、簡単に世を捨てられたわけではありません。作者の兼好はどんな社会と人間関係に生きたのか。当時の文脈に置きなおすことで、本当の姿が見えてきます。

【目次】

図1 京都周辺図(稲田利徳・山崎正和『方丈記・徒然草』新潮社より作成。(元図作成・稲田利徳))

はじめに

第一章 かくてもあられけるよ
事実か虚構か/「栗栖野」のイメージ/連想の糸でつながる章段/【もっと知りたい人に】

第二章 時間よ止まれ
「すべてを捨てる」生き方/「空の名残」/それでも心を動かすもの

コラム徒然草の本文−烏丸本
本文を定める/たった一字の違いでも...

第三章 歌人としての兼好
和歌四天王/和歌世界の枠組み/実体験の歌、物語を題材にした歌/「恋の歌」の詠み方/なかなかの歌人/【もっと知りたい人に】

第四章 奇蹟が起きたら
大根が勇士となって.../兼好好みの「聞き違い」/奇蹟に対する距離の取り方

第五章 捨ててよいのですか?
最も人気のない箇所/おんぼろ書類ケース/「まかり」の謎/古くて汚いけれど

第六章 太平記の兼好
ラブレターの代筆/教科書としての太平記/権力者との距離/【もっと知りたい人に】

第七章 人の上に立つ人
人材が輩出する北条氏/松下禅尼の警告/エピソードに潜む同時代批判/【もっと知りたい人に】

第八章 自己紹介
役割を意識した自慢/馬術はたしなみ/巻子本時代の情報アクセス能力/当代きっての学者の誤りを指摘/書道の知識/見えない存在/対応を間違えると.../兼好の主人は誰か/【もっと知りたい人に】

第九章 源氏物語から徒然草へ−つれづれなる「浮舟」
宇治十帖への共感/和歌と源氏物語/手習巻を思いながら/【もっと知りたい人に】