アルバイト日誌「人からは逃げられても、自分からは逃げられない」(2020.10.23、れい)

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 言葉というものは、単純であり、複雑なものでもあると思っています。文章の構成要素について、文節や単語、色々な分け方ができますが、結局は五十音を意味の通る形に並べれば、何らかの文章にはできるのです。そう考えると、とんでもなく単純なもののような気がします。けれども言葉は、使い方や言い回し、表現の仕方によって、全く違うものにも変わります。皆さんにも、あの作家さんの文章は温かくて優しい雰囲気だな、○○さんの言葉はいつも鋭いな、などと感じた経験があるかもしれません。

 私の言葉は、どんな雰囲気、どんな色合いに見えるのでしょうか。書いている私自身も、ある程度意識しているつもりですが、やはり自分自身のことなので、分からないことだらけです。特に最近は、言葉の精度が低下していることに落ち込んでいます。アルバイト日誌や、他に何か文章を書く時、私の頭の中にはたくさんのカードがあって、その中から一枚取り出すイメージなのですが、今年に入って、手持ちが枯渇し始めている実感があります。なにか一つの型にはまってしまっている気がするのです。誰しもが経験する道だと思いますが、私は今伸び悩んでいます。去年、どんな授業を受けても新鮮なことばかりで、新しい知識を得て成長している実感がありました。けれでも今年に入ってから、自分の世界は、広がるどころか狭まってしまって、何においても足りない、と強く感じるようになりました。もともと慣れの遅い私が、オンライン授業で自信を失くしたことも要因の一つです。

 過去の自分を乗り越えていくことは、人と戦うよりも辛く、痛みがあります。けれども、自分と向き合わない限り、人は成長できないと思っています。人からは逃げられても、自分からは逃げられないのです。もちろん、言葉で表現することや、文学を学ぶことが嫌いになったわけではなく、むしろどんどん好きは深まっています。好きなものだからこそ、悔しかったり、悲しい気持ちになる時があるのです。

 時間をかけてでも良いから、もう一つ、私、殻を破りたいです。