東アジア恠異学会 第128回定例研究会/第2回オンライン研究会(2020年11月28日(土)13時00分〜17時、zoom)※要申し込み
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●公式サイトはこちら
http://www.kaiigakkai.jp/invitation.html
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※申し込みは上記サイトをご確認ください。
東アジア恠異学会
第128回定例研究会/第2回オンライン研究会
日時:2020年11月28日(土)13時00分〜17時
場所:zoomにて
※ 参加希望者にメールでzoomの案内をお送りいたします。
※ 参加希望者は恠異学会事務局宛にメールでお知らせ下さい。
○「台湾における〈水子供養〉の展開:祟る胎児霊の言説と死者救済の儀礼から考える」
ー陳宣聿氏(東北大学大学院文学研究科専門研究員)
【要旨】
台湾において流産、死産もしくは人工妊娠中絶などで亡くなった胎児や生後間もなく亡くなった子の霊は「嬰霊」と呼ばれている。嬰霊は常に親や親族に祟る存在とされるため、嬰霊を慰撫する儀礼(以下は暫定的に「嬰霊慰霊」という造語で表記する)が必要とされる。1980年代末から、「嬰霊」という語彙は台湾社会に広がっていき、現在は中国、香港、そして東南アジア、アメリカの華人コミュニティーでも見られる。
これまでの先行研究(Moskowitz, The Haunting Fetus. 2001)では、嬰霊慰霊の由来を日本の水子供養の輸入、改編と述べてきた。しかし、長い間伝播の経緯が明確に提示されておらず、さらに「輸入」という視点の有効性も検討されてこなかった。
本報告は台湾で嬰霊供養の元祖廟と自称する「龍湖宮」という宗教施設での実地調査を通して、先行研究が提示した「輸入」の視点を再考することが趣旨である。 本報告はまず台湾における嬰霊慰霊の展開と龍湖宮の位置付けを説明する。その後、龍湖宮の出版物(「善書」、無料に人々に頒布し、善行を促す小冊子)に描かれた祟る胎児霊に関する言説を分析する。次、報告者は焦点を儀礼実践の側面に転じ、龍湖宮における「嬰霊」にまつわる儀礼と言説の間に隔たりのあることを明らかにする。これまでの考察を踏まえ、最後、報告者は比較文化論的視点から、類似する宗教現象である水子供養と嬰霊慰霊の関係性をより立体的に捉えることを試みる。
○「佐藤清明「現行全国妖怪辞典」の地方妖怪調査票について」
ー木下浩氏(岡山民俗学会理事)
【要旨】
佐藤清明は日本で初めての妖怪事典『現行全国妖怪事典』を編集した博物学者である。
清明はこの妖怪事典の中で、自分が収集した妖怪方言名のカードについて言及しているが、
そのカードは現在発見されていない。
そのカードの行方と新発見資料、さらには妖怪研究家で博物学者としての清明の生涯について発表する。