神戸文学館:企画展「新開地物語 街が青春だったころ」【特別講演「新感覚派から心霊へ ― 川端康成『掌の小説』を読む」木田隆文 氏(奈良大学教授)10月17日(土)午後2時~ ※要申し込み】(2020年9月18日(金)~12月25日(金))

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展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
http://www.kobebungakukan.jp/#museum-info

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■ 趣 旨

劇場や映画館、飲食店などが軒を並べていた新開地。「東の浅草、西の新開地」と呼ばれた繁華街は、華やかなトアロードや元町通とは少し雰囲気の異なる賑わいを見せていました。そんな新開地がきらびやかに輝いていた「街の青春時代」を紹介します。
 道案内してくれるのは、神戸・東川崎町あたりで生まれ育った詩人の林喜芳。あまり知られた存在ではありませんが、自らのことを「カイチマン」(新開地族)と称し、華やかな元町には気後れするような人でした。新開地の思い出を綴った随筆を残しており、そこには往時の街の様子を描いています。
 文学散歩する街並みの中には、淀川長治や横溝正史、谷崎潤一郎といったなじみの人たちの「とっておきの新開地」も隠れているかもしれません。神戸有数の繁華街として賑わっていた戦前の新開地の雰囲気をお楽しみください。

■ 展示内容

※ 明治時代から昭和初期(概ね戦前まで)の湊川新開地の写真
※ 湊川新開地関連の絵葉書
※ 神戸松竹座の館内宣伝誌『神戸人』
※ 映画館内宣伝誌『聚楽館ニュース』、『錦座ニュース』
※ 大正から昭和にかけての『キネマ旬報』
※ 当時の神戸又新日報の紙面コピー
※ その他


【特別講演】 
「新感覚派から心霊へ ― 川端康成『掌の小説』を読む」
10月17日(土) 午後2時~3時半

【講師】木田隆文(奈良大学教授)

比喩を多用した硬質の文体を特色とし、構造の象徴的美を追求した新感覚派の作家たち―。その中心人物であった川端康成は、やがてそれとは全く逆の日本の美意識や抒情性に沈潜する作風へと変貌し、やがて彼岸の存在と交感するような場面すら描くようになります。
 しかし彼の心霊への関心は、早くも昭和初頭の新感覚派時代に植え付けられていたようにも思われます。
 今回の講演では『掌の小説』収録の「不死」を読みながら、川端作品にみられる心霊観と神戸ゆかりの新感覚派作家たちとの、隠れた関係を紹介してゆきたいと思っています。

申し込み:先着順(定員40人) 
参加料:200円