国立国語研究所:第36回 「カテゴリ文法入門」(2020年9月5日(土)12日(土)19日(土)26日(土)各日13:30~15:00、Zoom)※要申し込み
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https://www.ninjal.ac.jp/event/specialists/tutorial/ninjal-t036/
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カテゴリ文法 (categorial grammar) は,統語論と意味論のインターフェースが簡潔で明示的な言語理論で,これまで主に計算言語学の分野で研究が進められてきましたが,最近では理論言語学への応用も進んでいます。本チュートリアルでは,主に言語学と自然言語処理の分野の大学院生を対象に,カテゴリ文法の基礎を解説します。言語学の学生・研究者にとっては計算言語学・自然言語処理研究への入口となり,自然言語処理の学生・研究者にとっては工学的な言語処理の背後 (あるいはその先) にある言語理論の理解を深めるきっかけになるような講義を目指します。
2020年9月5日 (土) 13:30~15:00
第1回 : カテゴリ文法の歴史,AB文法
カテゴリ文法の理論言語学研究の中での位置づけをざっと概観したあと,AB文法と呼ばれるもっとも単純なタイプのカテゴリ文法のフラグメントを作って,簡単な文の分析の例をいくつか眺めます。
2020年9月12日 (土) 13:30~15:00
第2回 : 等位接続の分析,ランベック文法と CCG
AB文法では扱うことが出来ない現象が自然言語にはたくさんあります。その中でも,カテゴリ文法の研究において中心的に扱われてきた等位接続の現象に焦点をあて,ランベック文法と CCG という二つのタイプのAB文法の拡張の基本的な部分を説明します。
2020年9月19日 (土) 13:30~15:00
第3回 : 「統語変形」とスコープの分析,ハイブリッドTLG
wh移動や量化子の解釈などの,生成文法理論で「統語変形」の概念で扱われる現象はランベック文法においても CCG においてもやや特殊な扱いが必要となります。ランベック文法を拡張した Type-Logical Grammar (TLG) と呼ばれるアプローチでは,統語変形を比較的簡単に形式的な枠組みの中で扱えます。ここでは,ハイブリッドTLG と呼ばれるアプローチにおける統語変形の扱いを概観します。
2020年9月26日 (土) 13:30~15:00
第4回 : 計算言語学とカテゴリ文法
カテゴリ文法は明示的な文法理論であり,計算言語学・自然言語処理との親和性が高い点が生成文法の主流の理論と異なります。この回ではまず,計算言語学寄りのカテゴリ文法研究の現在までの研究の流れを概観します。そのあと,理論言語学と計算言語学の融合的分野における今後の研究の見通しについて (少し妄想を交えながら) 見通しを述べます。
講師
窪田 悠介 国立国語研究所 准教授 (理論・対照研究領域)
2010年オハイオ州立大学Ph.D.取得。2019年から現職。
専門は統語論,意味論,計算言語学。近著に『Type-Logical Syntax』 (2020,共著)。Linguistic Inquiry, Natural Language and Linguistic Theory, Language など主要学術誌に論文多数。
会場
Web開催 (Zoom を使用)
定員
50名 (予定)
受講料
無料