研究という怪獣造形――『怪異をつくる』をつくる(木場貴俊)(日本の古本屋メールマガジン その297・4月24日号掲載)
Tweet【 テレビアニメ『SSSS.GRIDMAN』(2018年)は、女子高生の新条アカネが負の感情を反映させて造形した怪獣フィギュアが実体化し、街を破壊し人を襲う展開になっています。
これを自分の研究に引きつけてみると、さながら研究論文は怪獣フィギュアで、そしてこのたび刊行した『怪異をつくる 日本近世怪異文化史』は、そのフィギュアを使ったジオラマになぞらえることができます。
『怪異をつくる』は、江戸時代を生きた人びとや社会のいとなみを「怪異」との関わりから考えたものです。本書では、怪異を「あやしい物事を指し、化物・妖怪・不思議などと表現する対象を包括する概念」として用いました。あやしいと感じることは、日常や常識が前提にあって喚起されるものなので、この本は逆説的に、当時の日常や常識を考えるものだと言い換えることもできます。】
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木場貴俊『怪異をつくる 日本近世怪異文化史』(文学通信)
ISBN978-4-909658-22-7 C0020
A5判・並製・カバー装・400頁
定価:本体2,800円(税別)