【中止】古代文学会4月例会(第724回)(2020年4月4日(土)、大東文化会館 K-404教室)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://kodaibungakukai.sakura.ne.jp/wp/kenkyuuhappyoukai/reikai/

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※以下学会開催【中止】です。

日 時:2020年4月4日(土)午後2時〜5時
場 所:大東文化会館 K-404教室(東武東上線「東武練馬駅」北口下車徒歩5分)
※会場が通常の例会とは異なります。ご注意下さい。

発表者:吉田修作 氏
題 目:オホナムチ・オホクニヌシ・出雲大神―国作り・国譲り・祟り神ー
要 旨:
 周知の通り、古事記、日本書紀ともに、オホクニヌシの亦の名がオホナムチなどであると記されており、古事記ではオホナムチとオホクニヌシが併用され、日本書紀では系譜以外はオホアナムチ(オホナムチ)の名で統一されている。国作りにおいては、オホナムチ・オホクニヌシがスクナヒコナや三輪の神という依り来る神を迎え、協力して国作りを行うのだが、その表現の中に神を迎え、祭り、送るという神話的観念が内包されている。続く国譲りでは、古事記、日本書紀ともにオホクニヌシ・オホナムチが天つ神を迎え、服従を誓うのだが、特に古事記では「言向け」の論理が強く働いている。その「言向け」は天つ神の発することばと、オホクニヌシという国つ神が服従を誓うことばとが対応しており、それは日本書紀には見られない論理である。古事記ではその「言向け」られた神が祭られたか否かが曖昧なまま宙づりにされ、後の垂仁記で御子ホムチワケに対する出雲大神の祟りとして顕在化される。一方、日本書紀では崇神紀において、出雲の神宝をめぐる兄弟の争いとそれに付け込んで王権が出雲を征伐するが、出雲大神への祭祀がおろそかにされ、最終的には王権によって出雲大神が祭られることなる。古事記と日本書紀を比較してその差異を明らかにしながら、神を「祭る」、「祭らざる」ことをめぐって国作り・国譲り・祟り神と展開するオホナムチ・オホクニヌシ・出雲大神のあり方を考えたい。

司 会 :松田浩 氏