小川剛生著『二条良基』(人物叢書302、吉川弘文館)
Tweet吉川弘文館様よりいただきました。
ISBN 9784642052955
判型・ページ数 4-6・352ページ
定価 本体2,400円+税
版元公式サイト
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b491656.html
【南北朝時代の関白。当初後醍醐天皇に仕えながら北朝で長く執政し、位人臣(くらいじんしん)を極める。南朝の侵攻、寺社の嗷訴(ごうそ)、財政の窮乏等あまたの危機に立ち向かい、室町将軍と提携し公武関係の新局面を拓く。かたわら連歌や猿楽を熱愛し、『菟玖波集』を編み世阿弥を見出す。毀誉褒貶激しい複雑な内面に迫り、室町文化の祖型を作り上げた、活力溢れる生涯を描く。】
【目次】
はしがき
第一 二条殿(父祖の経歴/出生と兄弟/官途の始まり/祗候の人々/邸第と別業/所領/窮乏)
第二 大臣の修養(朝儀の研鑽/執政の祈願/一上をめぐる暗闘/連歌への耽溺/和歌との距離)
第三 偏執の関白(関白の詔と家政機関/「興行」の努力/仙洞の雰囲気―日記『後普光園院摂政記』/光厳院政と評定衆/即位灌頂/雑芸の愛好)
第四 床をならべし契り(北朝の消滅/南朝の苛政/異例の践祚/美濃行幸と将軍参内の記―『小島のすさみ』/後光厳親政と議定衆/二つの勅撰集―『菟玖波集』と『新千載集』/宋代詩話の影響―『撃蒙句法』/関白辞職と内覧宣下)
第五 再度の執政(足利義詮と執事/還補への期待/執柄の御沙汰/学芸の指導者/子息の成長と年中行事歌合/武家への接近―「異国牒状記」/父として、大閤として)
第六 春日神木(後光厳院政/徳政の主張と後醍醐の記憶―「二条良基内奏状」/嗷訴(ごうそ)の猛威/『連歌新式』の完成と『筑波問答』終わりなき交渉/仮名日記の筆法―『思ひのままの日記』/院政の挫折)
第七 准三后(後円融親政/世阿弥との出会い/一朝の元老/『増鏡』の問題/注がれる視線/足利義満との対面)
第八 大樹を扶持する人(右大将拝賀の指導/公・武・禅のむ集い/「室町殿」の朝廷演出/和漢聯句の試み)
第九 摂政太政大臣(七十年ぶりの摂政/公武の対立/最晩年と終焉/天下の御師範)
第十 良基の遺したもの(子女のその後/室町・戦国期の二条家/著作の伝来と『日次記』)
畿内関係地図
二条家系図
足利氏略系図
御子左家略系図
略年譜
参考文献
口絵
二条良基
「二条良基春日社願文案」
『長谷寺縁起文』
挿図・挿表