東アジア恠異学会第123回定例研究会(2019年7月27日(土)、園田学園女子大学第2会議室(1号館2階))

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://kaiigakkai.jp/invitation.html

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東アジア恠異学会第123回定例研究会
 日時:2019年7月27日(土)
 場所:園田学園女子大学第2会議室(1号館2階)
○亀卜研究の現状と課題-シンポジウム「大嘗祭と亀卜の世界」を終えて-」
 ー大江篤氏(当会代表、園田学園女子大学教授)

【要旨】
東アジア恠異学会の研究成果の一つに、「怪異」を認定する「亀卜」の技法の解明がある。
古代・中世の怪異研究にとって欠かすことのできないテーマであり、『亀卜 歴史の地層に秘められたうらないの技を掘りおこす』(臨川書店、2006年)を刊行した。その亀卜が5月13日の「斎田点定の儀」で挙行されるにあたって、メディアで注目を集めた。現在、代替りの儀式を除くと亀卜は伝承されておらず、平成2(19900)年以来、29年ぶりのことであった。
このことを機に、科研費・基盤研究(C)「日本古代における中国の怪異・卜占をめぐる知識と技術の受容」(代表者 大江篤)(課題番号 18K00978)と東アジア恠異学会との共催で、7月6日に麗澤大学において、シンポジウム「大嘗祭と亀卜の世界」を開催した。本報告では、シンポジウムでの議論をふまえ、亀卜研究の現状と課題について整理し、今後の課題を明らかにしたい。


○「多武峯木像破裂についての一考察(藤原摂関家の視点から)」
 ー高井佑人氏(神戸大学大学院)

【要旨】
奈良県桜井市にある多武峯は、藤原家の始祖鎌足をまつる場であり、御墓山では「鳴動」という恠異が 起こるため当学会でも注目されてきた。その多武峯には、藤原鎌足の木像が安置されており、この木像も 「破裂」という恠異を起こすとされている。
その中で本報告では、この「恠異」を公家社会、特に藤原摂関家の視点から分析を行う。公家社会とくに 藤原摂関家と多武峰の関係性を明らかにし、その上で両者の間に木像破裂がいかなる形で表れるのか、 またその意味について考えていきたい。