日本比較文学会 関西支部: 4月例会【シンポジウム】「移民・植民地・亡命の比較文学―二十世紀以降の文学が生まれた条件」(2019年4月27日(土)午後2時から5時、大阪市立大学 杉本キャンパス)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://hikakukansaishibu.blogspot.com/2019/04/blog-post.html

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日 時:2019年4月27日(土)午後2時から5時
会 場:大阪市立大学 杉本キャンパス
    学情センター・10階「特別会議室」

【シンポジウム】

題 目:
「移民・植民地・亡命の比較文学
  ―二十世紀以降の文学が生まれた条件」

司 会:
小橋玲治(東京成徳大学助教、コメンテーターを兼任)

発表者:
松本健二(大阪大学言語文化研究科准教授)
大野藍梨(立命館大学生存学研究センター客員協力研究員)
徳永恭子(近畿大学文芸学部教授)

コメンテーター:
小橋玲治(司会を兼任)
小松正道(びわこ成蹊スポーツ大学非常勤講師)
今泉秀人(大阪大学言語文化研究科准教授)

【要 旨:
 文学と言語の関係は、比較文学にとって大きなテーマである。ある文学作品が、なぜその言語を用いて書かれねばならなかったのかを探求することは、二十世紀以降の文学が生まれた、根本的な〈条件〉を考察することへとつながる。
 このシンポジウムでは、複数の言語、複数の地域、複数の政治状況を設定し、それぞれの状況下で書かれた文学を比較することで、二十世紀以降の時代において文学が成立した〈条件〉を浮かび上がらせたい。キーワードは、「移民・植民地・亡命」である。
 具体的には、スペイン語圏からは南米出身の作家たち、セサル・バジェホやロベルト・ボラーニョ、ユダヤ系グアテマラ作家のエドゥアルド・ハルフォン(松本)、フランス語圏からはカリブ海グアドループの作家、シモーヌ・シュヴァルツ=バルトやマリーズ・コンデ(大野)、ドイツ語圏からはドイツとオーストリアの移民文学の変遷(徳永)を主な対象とするが、さらに参照対象として、フランスに亡命したアフガニスタンの作家、ラヒーミーにも言及する(徳永)。
 また発表者以外に、さらなる対比を行うべく、複数のコメンテーターを設けたい。日本語圏からは南米の日本語作家(小橋)、フランス語圏マルティニックの文学状況(小松)、中国語圏からは中国外へと亡命した作家たち(今泉)について、上記の主な対象と対比する形で言及する。
 それぞれの言語、地域、政治状況などを比較しつつ提示することで、二十世紀以降の文学を産み出した〈条件〉の複雑さを紐解いていく。この作業を通じて、来場者一人一人に対し、各自が専門とする文学・作家・作品の生まれた〈条件〉を問いかけ、対話を展開するようなシンポジウムを目指したい。】