長谷川凜、丹野 健、内田 花、田川美桜、中村海人、神山結衣、小林未來、牧野かれん、仲島ひとみ[編]『高校に古典は本当に必要なのか』(文学通信)

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11月上旬刊行予定です。

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長谷川凜、丹野 健、内田 花、田川美桜、中村海人、
神山結衣、小林未來、牧野かれん、仲島ひとみ[編]
『高校に古典は本当に必要なのか』(文学通信)

ISBN978-4-909658-36-4 C0095
A5判・並製・248頁予定
定価:本体1,800円(税別)

高校に古典は本当に必要なのか。
「高校生の声を伝えて、肯定派の目を開きたい。高校生という新たな視点で否定派の心を開きたい」

現役高校生が、当事者として高校生にアンケートを実施し、議論の場を作り、考えたことは何だったのか。2020年6月6日にオンライン開催された、高校生が高校生のために考えたシンポジウム「高校に古典は本当に必要なのか」の完全再現+終了後のアンケート+企画に至るまでの舞台裏+編者による総括です。

2019年、明星大学でシンポジウム「古典は本当に必要なのか」は、本書の編者の高校生にとっては、話がかみ合わない上に、問題点や疑問が放置されたと感じられ、とても満足できるものではありませんでした。そして開催されたのがシンポジウム「高校に古典は本当に必要なのか」です。

議論は果たしてどこまで進んだのか。現役高校生という視点は有効だったのか。これを読む私たちは、高校生たちの考えをどこまでくみ取ることが出来るのか。

古典不要論を考える際の基本図書ともなった、勝又基編『古典は本当に必要なのか、否定論者と議論して本気で考えてみた。』(文学通信)の続編ともいうべき本です。

執筆は、長谷川凜、丹野 健、内田 花、田川美桜、中村海人、神山結衣、小林未來、牧野かれん、仲島ひとみ、渡部泰明、福田安典、近藤泰弘、ツベタナ・クリステワ、猿倉信彦、前田賢一の各氏。

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【主催者による現時点での公開資料】
こてほん2020コンセプトビデオ(YouTube)
【高校に古典は必要か】高校生アンケート結果分析(YouTube)
【高校に古典は必要か】パネリスト先生方の主張まとめ(YouTube)
協力してくださった先生方の主張まとめ
ディベートの立論まとめ
肯定派の立論詳細
否定派の立論詳細
ディベートの前提

【目次】

はじめに(仲島ひとみ)

・メンバー紹介
・凡例

第1部 問題点を整理する
―「高校に古典は本当に必要なのか」を考えるまえに

1.「高校に古典は本当に必要なのか」のコンセプト

2.現役高校生の視点――高校生に実施したアンケート結果発表
(1)アンケートの性質
(2)アンケートの質問と回答結果
問1○「古典」は好きですか?それとも嫌いですか?(ここでの「古典」は教科ではなく「古典」の文章自体のことです)
問2○「古典の授業」は好きですか?それとも嫌いですか?
問3○「古典の授業」は簡単ですか?それとも難しいですか?
問4○古典の授業について、好きなところを教えてください。
問5○古典の授業について、嫌いなところを教えてください。
問6○古典の試験(学校の試験・模試・入試などすべて)について、「授業で取り扱ったことのある文章の問題」は、解けますか?
問7○古典の試験(学校の試験・模試・入試などすべて)について、「初見の文章の問題」は、解けますか?
問8○あなたの「古典を読む力」について、感じることを教えてください。
問9○高校で、古典を必修科目にするべきだと思いますか?
問10○上記のように答えた理由を教えてください。
問11○現在、古典の授業でやっていないことで、あなたがやってみたいことはありますか?
問12○以下の四つの新しい科目のうち、あなたが習いたいと思う国語の科目を二つ選んでください。(印象で選んでも構いません!)
問13○シンポジウム「高校に古典は本当に必要なのか」に興味はありますか?
問14○当シンポジウムに聴衆として参加してみたいですか?(参加者のだいたいの人数を把握するためです。開催予定日は3/10です。)
問15○学年を教えてください。
問16○文系ですか?理系ですか?(文理をまだ選択していない場合、現時点での意思でお答えください)
(3)各問の相関関係
(4)学年、選択科目と各問への回答傾向

3.前回のシンポジウム「古典は本当に必要なのか」論点まとめ
  ――近藤泰弘先生、ツベタナ・クリステワ先生の主張も加えて

(1)猿倉先生の論点
(2)前田先生の論点
(3)渡部先生の論点
(4)福田先生の論点
(5)近藤先生の論点
(6)ツベタナ先生の論点

4.ディスカッション――否定派・肯定派の認識を問いただす
(1)古典でしか学べないものは何か
(2)古典の授業は将来どのように役に立つのか
(3)古典は優先順位が低いと考えるのは何故か、文学的教養は必要とされていないのか
(4)国語を教える際のリテラシーと芸術をどういう基準で区別するか
(5)論理、論理的思考とは何か/「芸術・哲学・文学・古典・情緒的」の捉え方

第2部 高校に古典は本当に必要なのか

1.ディベート――高校の授業で古典を学ぶことに意義はあるか

ルール

(1)肯定側 第一立論──古典の授業には意義があります
[要旨]
 1.現代日本語の能力向上
 2.古典を読む過程で、論理的思考を学べる
 3.先人の知恵に学ぶ
 4.国際社会を生きていくには自国の文化を知るべき

(2)否定側 第一立論
──古典は言語的側面、文化・文学的側面、社会的側面のすべてにおいて学ぶ意義がない
[要旨]
 1.古典語を言語として使うことはない
 2.古典文学は現代語訳でも読める
 3.古典には高校教育に不適切な内容あり
 4.ナショナリズムの助長

(3)肯定側 第二立論
──文語文に自らアクセスできるリテラシーが身につき、現代を相対化できる
[要旨]
 5.文語文に自らアクセスできる
 6.現在の価値観の相対化
 7.古典は日本人の文化的アイデンティティ
 8.古典を批判的に読む

(4)否定派 第二立論
──わたしたちはすでに教育の段階で自国の範囲を規定されている

[要旨]
 5.現代日本語の向上にはつながらない
 6.古典で論理的思考は学べない
 7.貴重な時間はもっと実用的なものに
 8.情理は現代語訳でも可
 9.規定された自国の範囲

...作戦タイム...

(5)否定側→肯定側 反対尋問

...作戦タイム...

(6)肯定側→否定側 反対尋問

(7)肯定側 最終弁論

(8)否定側 最終弁論

感想戦

2.ディスカッション――自由討議

(1)神話はアイデンティティーとどこまでつながっているのか/
外国の文学者が日本語について語ったことが、どうして古典の必要性をサポートする理由になるのか

(2)古典教育のような教養とアイデンティティーと、実用性を、教育においてどう両立させていくのか

(3)大学入試の問題点

(4)未来を生きるための「無用の用」

(5)最後に

3.閉会のあいさつ――大学のオープンキャンパスで学生さんに聞いてみた

第3部 アンケート集計―全体の議論を聞いてどうお考えになりましたか

第4部 企画に至るまで

(1)プログラムの決定まで
・パネリスト決定の流れ、先生方とのやりとり

(2)プログラムの決定後
・ディベートについて深める

(3)高校生に実施したアンケートと、その集計

第5部 総括((仲島ひとみ))

あとがき

【編者、執筆者紹介】

長谷川 凜 Hasegawa Rin
ICU高校三年生。ディベートでは肯定派。

丹野 健 Tanno Ken
ICU高校三年生。当日の役割は司会(「詠み人知らず2」)。

内田 花 Uchida Hana
ICU高校三年生。シンポジウムでは司会(「詠み人知らず1」)を担当。

田川美桜 Tagawa Mio
ICU高校卒業後、ICUに進学(一年生)。ディベートには否定派。

中村海人 Nakamura Kaito
ICU高校二年生。ディベートには事前準備に参加。

神山結衣 Kamiyama Yui
ICU高校三年生。ポスターを担当。

小林未來 Kobayashi Mirai
ICU高校三年生。ディベートでは肯定派。

牧野かれん Makino Karen
ICU高校三年生。ディベートでは否定派。

仲島ひとみ Nakajima Hitomi
1980年生まれ。ICU高校国語科教諭。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了(日本語学)。ロンドン大学 Institute of Education にて MA in Effective Learning and Teaching 取得。趣味はマンガを読むことと描くこと。著書に『大人のための学習マンガ それゆけ! 論理さん』(筑摩書房)など。

渡部泰明 Watanabe Yasuaki
東京大学大学院博士課程中退、現在東京大学大学院人文社会系研究科教授。
専攻は、和歌史・中世文学。著書に『和歌とは何か』(岩波新書)、『中世和歌史論 様式と方法』(岩波書店)ほか。1999年より明治書院の高等学校国語科教科書の編集委員。
非常勤先で演劇の授業を10年担当し、それをふまえて本務校で「古典教育の試み」と題する、参加型の模擬授業を行う授業を開設。

福田安典 Fukuda Yasunori
大阪大学文学部、同大学院を修了後、愛媛大学教育学部などを経て現在は日本女子大学「文学部」。
三省堂『明解国語総合改訂版』という教科書作成に関わり国語科教育についての論文もある。
専門は平賀源内を中心とする近世文学で、源内のように多方面に手を出している。その一つが医学書で、「医史学に貢献した」とのことで「醫譚賞」を受賞、その方面での発言の機会が増えている。
主著『平賀源内の研究』(ぺりかん社)、『医学書のなかの「文学」』(笠間書院)など。

近藤泰弘 Kondo Yasuhiro
東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専門課程修了、青山学院大学文学部教授。
専門は日本語学。著書に『日本語記述文法の理論』(ひつじ書房)ほか。

ツベタナ・クリステワ Tzvetana Kristeva
モスクワ大学アジア・アフリカ研究所日本文学科卒業、国際基督教大学名誉教授。
専門は日本古典文学の詩学、日本文化の意味生成過程、文化・文学理論。主要編著書に、『涙の詩学─王朝文化の詩的言語』(名古屋大学出版会)、『心づくしの日本語 和歌でよむ古代の思想』(ちくま新書)、『パロディと日本文化』(笠間書院)など。

猿倉信彦 Sarukura Nobuhiko
某指定国立大学 理工系研究所教授(個人としての意見であること の明確化のため大学明記せず)。
1963年富山県生れ。アポロ計画で科学技術に感動。
国立附属高校で3年間、古典教諭のクラス。
東大理一、物理工学科。修士で黄金期のNTT基礎研究所就職。
東大M時代とNTTの研究のヒットで国立研究所の助教授に32歳で就任。
42歳でいまの大学の研究所の教授にリクルートされる。

前田賢一 Maeda Kenichi
高校3年生でパターン認識の道を志す。
東京工業大学大学院修了後、東芝に入社。パターン認識、人工知能、計算機の研究に従事。研究開発センター技監、関西研究センター長など。
前回の人工知能ブームの時、エジンバラ大学AI応用研究所に駐在。
学会では、電子情報通信学会 和文D論文編集委員長、技術担当副会長を担当。
定年後は、フリーのコンサルタント、中央大学客員研究員、次世代センサ協議会技術委員。