白石良夫『注釈・考証・読解の方法 国語国文学的思考』(文学通信)

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11月中旬の刊行予定です。

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白石良夫『注釈・考証・読解の方法 国語国文学的思考』
ISBN978-4-909658-17-3 C0095
四六判・上製・288頁
定価:本体3,200円(税別)

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★「天動説は滅びない─まえがきにかえて」を期間限定全文公開
https://bungaku-report.com/blog/2019/10/post-618.html

注釈していれば、知識は自然に増える。増えた知識は想像力を搔き立て、小難しい理論や七面倒な方法論にふりまわされなくて済む――。
昔の人の古典読書を追体験するために、心掛けるべきは何か。後進に伝える古典読解の方法!

「後進に伝える研究方法」をコンセプトに、古典の注釈・考証・読解の方法を伝える。国語学と国文学、あるいは中古、近世、近代など、世間で勝手に作りあげられたジャンルや文学史の壁を遠慮せず乗り越え、古典を読み解くにはどうすればいいのか。

先人に学びながら古典を読み解く術を、全四部「古典注釈を考える─ある誤読の歴史」「武家説話の読み方─室鳩巣の和文」「伝説考証の読み方─『広益俗説弁』の世界」「典籍解題を考える─モノを伝える」で伝えていく。対象とするものは、源氏、徒然、武家説話、考証随筆など幅広く、典籍解題の問題まで含めて論じる。

【著者紹介】

白石良夫(しらいし・よしお)

1948年、愛媛県生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。北九州大学講師等を経て、1983年、文部省(現文部科学省)入省、教科書調査官(国語)。2009年、佐賀大学教授となり、2014年退職。専攻、国語学・国文学。博士(文学)。
主要著書に、『最後の江戸留守居役』(ちくま新書、1996年、『幕末インテリジェンス』として新潮文庫、2007年再版)、『江戸時代学芸史論考』(三弥井書店、2000年)、『本居宣長「うひ山ぶみ」全読解』(右文書院、2003年、『本居宣長「うひ山ぶみ」』として講談社学術文庫、2009年再版)、『かなづかい入門』(平凡社新書、2008年)、『古語の謎』(中公新書、2010年)、『古語と現代語のあいだ』(NHK放送新書、2013年)など。


【目次】

天動説は滅びない─まえがきにかえて
「江戸に出掛けて江戸人に聞け」/錬金術も知識である/注釈の延長線上に論文はある/天動説は不要になったのではない/本書の構成

第一部 古典注釈を考える─ある誤読の歴史

一章 オコヅク考、オゴメク考─源氏物語帚木巻の異文の解釈
一 問題の所在/二 古典本文の校訂と仮名表記のありかた/三 オコヅクの仮名遣いと語義/四 オコヅクを「をこづく」と表記するゆえん/五 辞書の「オコヅク」/六 語源「烏滸」+「づく」を排除した場合/七 河内本本文─「烏滸づく」を排除したときの先入主/八 孤例中の孤例「おごめく」の存在/九 孤例ゆえの存在感/十 オゴメクに幻惑されたオコヅク/十一 中古語「オゴメク」実在への疑問

二章 オゴメク幻想─「オコヅク考、オゴメク考」補訂を兼ねて
一 前稿要約─まず歴史を倒叙して/二 おなじく前稿要約─歴史をくだって/三 補訂しなければならなくなった要因/四 用例の報告はどこから湧いて出たのか/五 見落としていた必読文献/六 中世前期の源氏学─注釈以前/七 室町時代の注釈─国語史上のオゴメク/八 江戸初期のテキストと注釈─帚木巻「オゴメク」の出現/九 次稿予告─ミッシングリンクを求めて

三章 徒然草「鼻のほどおこめきて」考─続オゴメク幻想
一 議論は文献学上の問題となる/二 古語の清濁とその校訂/三 「おこめきて」も捨てたものではない/四 光広に清濁の迷いはなかった/五 古典注釈における語義注と文脈注/六 『寿命院抄』と『野槌』/七 読み癖つき版本/八 徒然草「おこめきて」の清濁史年表/九 オコメクからオゴメクへ/十 源氏のオゴメク、徒然のオゴメク

第二部 武家説話の読み方─室鳩巣の和文

四章 読み物になった手紙─「鳩巣小説」とは何か
一 『鳩巣小説』は書簡集である/二 書簡の振り分け/三 幕藩体制下における情報管理/四 『鳩巣小説』は情報管理から排除されたもの/五 鳩巣をめぐる人脈と学問/六 鳩巣と白石と『藩翰譜』/七 「鳩巣小説」という意味

五章 書いたこと、書かなかったこと─写本と刊本の狭間で
一 刊本のなかの松平伊豆守/二 写本のなかの松平伊豆守/三 写本だから漏らした本音/四 『鳩巣小説』とは何か/五 松平忠直卿をめぐる刊本・写本

六章 忠誠心はかくあるべし─浄瑠璃坂敵討と殉死をめぐって
一 新井白石の言いたいことは/二 忠臣蔵にのっとられた浄瑠璃坂事件/三 『鳩巣小説』の浄瑠璃坂仇討/四 敵討よりも深刻な問題/五 殉死と世間体/六 現実政治のなかの殉死/七 殉死するもののメンタリティ/八 ふたたび、白石の言いたかったことは

七章 作品化される諫言─『明君家訓』から『駿台雑話』へ
一 武士道の「忠義」の特殊性/二 『明君家訓』の「諫言」論/三 『明君家訓』の著者室鳩巣/四 『駿台雑話』の松平忠直と杉田壱岐/五 重役の責任と本当の忠義─『駿台雑話』解読/六 鳩巣の創作

附 『明君家訓』の成立と版本
一 刊本『明君家訓』とその草稿本/二 『山下幸内上書』の証言/三 井沢蟠龍の証言/四 室鳩巣の証言/五 『明君家訓』の諸版とその版行

第三部 伝説考証の読み方─『広益俗説弁』の世界

八章 巨木伝説考証近世篇─熊楠稿「巨樹の翁の話」追跡
一 俗説、栗の巨木の祟りの話/二 俗説を考証する/三 前近代の『今昔物語集』/四 説話集に見る巨木伝説/五 俗説にも典拠あり/六 知的遊戯としての考証/七 巨木伝説とその遺物─読み物から学問/八 「考古学」という学問の成立/九 自然科学と文献史学の融合

九章 女流歌人伝説攷─檜垣嫗説話をめぐって
一 「檜垣遊女は白拍子のはじまりと云説」─本文と語釈/二 俗説の典拠/三 蟠龍の俗説弁駁/四 謎の女流歌人に関する証言/五 いちばん怪しい証言が横行する/六 檜垣の塔と細川氏/七 檜垣=白拍子起源説の虚妄/八 尚古趣味のなかの檜垣伝説

第四部 典籍解題を考える─モノを伝える

十章 『十帖源氏』の異版と著者書入本─小城鍋島文庫本の位置づけ
一 従来の『十帖源氏』版本研究/二 異版の存在/三 小城鍋島文庫『十帖源氏』の意義─自筆書入れと献呈の辞/四 『十帖源氏』の成立と刊年再考/五 朱筆の書入れ/六 濁音表記について

十一章 『烏丸光栄卿口授』の成立と構成─国会図書館本を基にして
一 書名と編者/二 国会図書館本書誌/三 『烏丸光栄卿口授』の構成─加藤信成編集本の場合/四 妻谷秀員編集本/五 口述者烏丸光栄と編者/六 指導を受けた人たち

十二章 『名家手簡』版本管見─近世の複製本
一 『国書解題』の記述/二 学問所旧蔵本について/三 「本朝名家手簡」という書名の本/四 第十一集以下の計画/五 原簡所蔵者欄における異同/六 覆刻版について/七 初版初刷かならずしも善本ならず

附 シーラカンスの年齢
生きている化石と博物館の胎児/モノとしての本、観念のなかの本/善本解題は目指さない/メジャーであるほど内容は二の次

あとがき
初出一覧
人名・書名索引