岡山市立中央図書館:企画展「坪田譲治と産業社会」(2025年2月6日(木)~3月9日(日)まで、岡山市立中央図書館 2階 視聴覚ホール前の展示コーナー)※入場無料
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展覧会情報です。
●公式サイトはこちら
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000068487.html
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
企画展「坪田譲治と産業社会」
概要
会期 令和7年2月6日(木曜日)から3月9日(日曜日)まで
※毎週平日の月曜日は休館です(振替休日の2月24日は開館します)
会場 岡山市立中央図書館 2階 視聴覚ホール前の展示コーナー(入場無料)
<展示の概要>
当館では例年、現在の岡山市出身ので児童文学の分野で顕著な業績をあげた文学者、坪田譲治の関連資料を、坪田譲治文学賞の発表時期にあわせて展示しています。
坪田の作品が高い評価を受け、文壇での地位を確立した昭和戦前期は、大正期から進行した日本の資本主義化が一定の段階を迎えて、経済恐慌や労働争議も頻発するようになった時代でした。児童文学の分野で顕著な業績をあげ、童話や子どもたちを主人公にした作品で知られる坪田譲治は、産業化の進展とともにさまざまな問題が生じ、そのためにプロレタリア文学が全盛になっていたこの時代にあっても、彼の独自の作風は変わりませんでしたが、時代の空気からまったく無縁であったわけでもありません。
明治時代に岡山近郊の農村で純真な幼少期を過ごした坪田が、早稲田大学への進学を機に上京して成人した後は、生前の父親が始めた会社の経営に親族の一人として携わったこともあり、また文学への厳しい道を進む中で、都会の中で孤独に沈む自己の内面を描いた作品も書いています。産業化が進む社会の中で、世間の世智辛さや疎外感とぶつかった緊張が、その頃の彼の文学の基調にあります。
そこでこのたびは、彼のそうした壮年期の体験を、幼年期の追憶の中に息づいている故郷への思いとも重ねながら、坪田譲治が迎えた「昭和」という時代を、この時期の代表作品などを通して図書館所蔵の関係資料から探ってみます。