青葉ことばの会:第232回青葉ことばの会(発足35周年記念シンポジウム)(2024年10月5日(土)14:00〜18:00、明治大学 駿河台キャンパス リバティータワー【8階】1086教室+オンライン(Zoom))※要申し込み

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://aobakotoba.jugem.jp/?eid=39
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※詳細は上記サイトをご確認ください。

日 時:10月5日(土) 午後2時-6時(1時30分より配信テスト)
会 場:明治大学 駿河台キャンパス → リバティータワー【8階】1086教室
及び Zoomを利用したオンライン形式(お使いのPC、スマートフォン等でアクセスしてください)

青葉ことばの会発足35周年記念シンポジウム
「文体と比喩と虚構―村上春樹で問い直す―」(シリーズ「文体と表現・語彙と虚構」)

パネラーの発表(各40分)、パネラーどうしでのディスカッション、
フロアとのディスカッションを予定
  
題 目:村上春樹の「会話の比喩」の諸相―「中国行きのスロウ・ボート」「貧乏な叔母さんの話」「螢」「納屋を焼く」の比較から―
発表者:稲益佐知子氏(日本体育大学非常勤講師)

題 目:直喩の認定―『風の歌を聴け』の「ような/に」「みたいな/に」―
発表者:小野正弘氏(明治大学)

題 目:「街とその不確かな壁」における直喩の倒置表現―村上春樹の文体変革の試みとして―
発表者:半沢幹一氏(共立女子大学名誉教授)

概 要:
稲益佐知子氏
村上春樹の初期短篇「中国行きのスロウ・ボート」「貧乏な叔母さん
の話」「螢」「納屋を焼く」はいずれも主人公「僕」の一人称視点で
語られる。本発表では4作品の会話文で用いられる比喩に着目し、
比喩表現の出現数のみならず質にも違いがあることを示す。
比喩表現で何をあらわそうとしているのか、被発話者はどう
受け止めているのかといった観点から考察する。

小野正弘氏
直喩は、どのように認定できるかという、基本的な問題を、
村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』を題材に検討する。
このとき、直喩指標とされる「ような/ように」「みたいな/に」の
どの程度が、直喩と認定しうるのかという「直喩率」を問題にし、
問題なく直喩と認定できるもの/できないもの、検討が必要なものとに
分けて、考察する。

半沢幹一氏
村上春樹は、作家たるもの、文体のヴァージョン・アップを常に
心掛けるべきであると主張する。その具体的な現われとして、
たとえば、比喩の多用から抑制への変化ということが指摘されている。
今回取り上げる村上の最新長編小説「街とその不確かな壁」では、
それとはまた異なる、直喩の倒置表現の多用という、
新たな傾向が認められる。それがどのようなことかを明らかにする。