日本図書館文化史研究会:第1回研究例会(2024年6月29日(土)14:00〜、公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センター(婦選会館) 2階会議室)※要申し込み

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://jalih.jp/events/events.html#reikai1
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※詳細は上記サイトをご確認ください。


○日  時 :  2024年6月29日(土)
○場  所 :  公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センター(婦選会館) 2階会議室
 〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-21-11  *[詳細]
○参 加 費 :  会員1,000円,非会員1,500円 ※参加費は会場で申し受けます。

○ プログラム
 13:40    受付開始
 14:00-14:05 開会あいさつ 小黒浩司(研究会代表)
 14:05-14:20 発表1 赤瀬美穂 「婦人閲覧室の利用の実態や女性と情報との関わり」
 14:20-14:40 発表2 青木玲子 「男女共同参画センター・ライブラリーの成り立ちとその背景」  14:40-14:50 発表3 市村櫻子(東京大学工学系・情報理工学系等特任専門員)
         「女性情報を収集・保存・発信する専門図書館:国立女性教育会館女性教育情報センター」
 14:50-15:00 発表4 黒澤あずさ(香川大学ダイバーシティー推進室特命准教授)
         「過去から未来へ:女性図書館員のキャリア形成」
 15:00-15:10 発表5 小黒浩司(日本図書館文化史研究会)
          「旧鎌倉図書館が登録有形文化財に」
 15:10-15:25 質 疑
 15:25-15:50 市川房枝記念展示室の見学,市川房枝に関するビデオ(約20分)視聴
 16:00-17:00 運営委員会

○ 発表1 要旨 赤瀬美穂「婦人閲覧室の利用の実態や女性と情報との関わり」
 過去に行った実態調査では,婦人閲覧室は戦後の1945年頃まで長らく存続していたことがわかっているが,利用の実態は明らかではなかった。本書では,明治から昭和戦前期までの女性たちが,どのように図書館(婦人閲覧室)を利用し,どんな資料を読んでいたのかを具体的な資料を挙げて明らかにした。また,明治・大正期から女性の読書意欲に応えた図書館サービスを行った事例はあったが,多くの女性たちが本当に必要とする資料が提供されなかったという事実も厳然としてあった。婦人閲覧室の利用の実態や女性と情報との関わりを取り上げる。

○ 発表2 要旨 青木玲子「男女共同参画センター・ライブラリーの成り立ちとその背景」
 日本国憲法は男女平等を謳い,戦後の婦人教育が開始された。NHKの放送番組「婦人学級」を担当し,女性初の解説委員となった縫田曄子は,女性情報センターの設立を提案し,1977年,国立女性教育会館(NWEC)の初代館長となった。市川房枝と婦人団体の支援もあり,1979年,日比谷図書館4階に「東京都婦人情報センター」が開館した。国際的に男女平等を推進する「国連婦人の10年」の真っ直中であった。21世紀に向けての「男女共同参画社会基本法」制定によって,設置された全国で362ある男女共同参画センターの女性情報発信とライブラリーのコレクションの蓄積を紹介する。

○ 発表3 要旨 市村櫻子「女性情報を収集・保存・発信する専門図書館:国立女性教育会館女性教育情報センター」
 国立女性教育会館「女性教育情報センター(専門図書館)」と「アーカイブセンター」の業務,シソーラスやデータベースなど,インターネットで発信している成果物を紹介する。特徴的な点として,全国の女性センターや自治体,機関等と連携した様々な資料の収集,男女共同参画についての知識や情報を届ける図書パッケージ貸出,検索に役立つシソーラスの開発がある。館種を越えたサービス展開について考えたい。

○ 発表4 要旨 黒澤あずさ「過去から未来へ:女性図書館員のキャリア形成」
 「女性図書館員は最初のころからキャリアを積むことがむつかしかった(中略)そのときから,女性による良質だが安価な労働力という側面が,現在に至るまで引き継がれている」(p.98)とあるが,さらに図書館員の非正規化という状況が加わり,キャリアを積むどころか就業継続が困難な状況が生まれている。そんな中,図書館で働く女性たちが,専門性とキャリアをつなげて考える機会を得られればと「図書館員のキャリア研究フォーラム」を結成した。今回はその活動の一部を紹介する。

○ 発表5 要旨 小黒浩司「旧鎌倉図書館が登録有形文化財に」
 旧鎌倉図書館が,国の登録有形文化財(建造物)として登録されることとなった。同館の保存については,2015年3月に本研究会も鎌倉市長に対して要望書を提出するなど地域住民の活動を支援した経緯がある。そこで本書にも紹介されている,2階の旧婦人閲覧室の現状などについて報告する。