早稲田大学国語教育学会:2024年度春季例会(第299回例会)(2024年4月27日(土)15:00〜、早稲田大学 早稲田キャンパス+Zoom)※要申し込み

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.waseda.jp/assoc-w-kokukyou/#%E4%BE%8B%E5%A4%A7%E4%BC%9A

--------------------
※詳細は上記サイトをご確認ください。

【発表】
 ストーリーマンガ教材化と読みの交流がもたらす学びの可能性
  山田 範子 氏(金沢星稜大学女子短期大学部)

 国語教育と和歌研究―和歌を読むとはどういう行為か―
  荒井 洋樹 氏(大阪大谷大学)

【発表要旨】
 ストーリーマンガ教材化と読みの交流がもたらす学びの可能性  山田 範子 氏
 博士論文では、ストーリーマンガが教材としてどのような価値を有し、マンガを読み合うことで学習者がいかに「読み」を成立させていくか明らかにした。また、リメディアル教育としての側面にも注目し、短大での実践を、高等学校をはじめとした国語科授業に逆照射し、「読むこと」の学習指導について新たな提言を行った。
 本発表では、このような自身の博論内容のセルフレビューを試みる。読みの対象としてストーリーマンガを教材化した実践報告について、マンガというメディアをいかに活用し、学習者のどのような能力向上をねらっているか整理する。また、文章教材における「読みの交流」に関する既存研究と発表者が明らかにしたマンガにおける「読み」の成立過程を比較し、ストーリーマンガを教材化することによって、学習者にもたらす学びの可能性を考察する。このような過程を通して、発表者の研究成果を位置づけるとともに、今後の研究の展望を述べる。

 国語教育と和歌研究―和歌を読むとはどういう行為か―  荒井 洋樹 氏
 国語教育における和歌の読解指導はほぼ表現技法の指導に収斂しているといってよい。このことは和歌文学会の企画出版であった『和歌のルール』(笠間書院 平成二六年)をはじめとして、和歌の入門書の大多数が表現技法を軸として項目立てを行っていることからもうかがえよう。平成三〇年版学習指導要領においても、「言語文化」において折句や本歌取りを活用した言語活動を設定しており、教育現場でもこのスタンスに変わりはないと思われる。
 しかしながら、表現技法を理解することでほんとうに和歌を読解し、理解できるようになるのであろうか。発表者は近時、表現技法を過度に重視することに対し、問題提起を行った(拙稿「『竹取物語』の和歌と解釈」『國學院雑誌』一二五―三 令和六年三月)。和歌を読むということはどういう行為なのかを捉え直すべき時期に来ているように思われる。現行の表現技法の定義は実態に即しているとはいえない部分も少なからずある。現在の和歌研究はこうした読解の現場からはあまりに遠く離れすぎてしまったのではないか。改めて表現技法の課題を洗い出すことによって、今後の検討へ向けた問題提起を行いたい。

開催形式 ハイフレックス(対面とZoomを利用したオンラインの併用)
会場   早稲田大学 早稲田キャンパス(※会場となる教室は現在調整中です。決まり次第お知らせいたします。)

・対面方式(会員および一般参加の方)
 予約等は不要です(会員でない方もご参加いただけます)。
 開場時間後(14:30~)に会場(早稲田大学 早稲田キャンパス)までお越しください。

・オンライン参加(Zoom)
 ①会員の方
  例大会の案内状(3月下旬発送)に同封されたパスワードを使って、
  【2024年度春季例会参加用ページ】にお進みください。
 ②一般参加の方
  【一般参加申し込み用フォーム(オンライン参加)】よりお申し込みください。
  参加に必要な情報をご連絡いたします。
 ③本学に在籍する国語教育専攻の大学院生・国語国文学科の学生
  授業や大学院生MLを通じて参加方法をお知らせする予定です。