国立国語研究所:第142回NINJALコロキウム「「やさしいことば」の日独比較 ―言語管理過程の観点から」(2024年3月5日(火)15:10〜17:10、国立国語研究所多目的室+Zoom)※要申し込み
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●公式サイトはこちら
https://www.ninjal.ac.jp/events_jp/20240305a/
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
開催期日
2024年3月5日 (火) 15:10〜17:10
開催場所
対面とオンラインのどちらでも参加できる、ハイブリッド形式で開催
国立国語研究所 多目的室 (東京都立川市緑町10-2) 交通案内
オンライン (Web会議サービスの「Zoom」を使用)
講師
木村 護郎クリストフ (上智大学 教授)
近年、様々な言語で「やさしいことば」をめぐる動きがみられる。しかしその内実は国や言語によって大きく異なる。この講演では、なかでもドイツのLeichte Sprache (やさしいことば) に注目して、日本との比較を試みることで、「やさしいことば」をめぐる議論を先に進める一助としたい。日本語とドイツ語を比較する意義としては、両言語の話し手の数が類似すること以上に、その使用地域が類似する課題を抱えていることがあげられる。日本でもドイツでも近代化の過程で、言語的に均質な国民国家をめざす歩みがみられたが、近年は、少子高齢化に伴う移民受け入れの必要性が議論されるなど、社会の多様性と向き合うことが改めて課題となっている。「やさしいことば」への注目の高まりは、均質な国民を対象とする単一の標準語の限界が認識されるようになったことの一つの現れと考えられる。両国における「やさしいことば」の展開を言語管理の過程としてみることによって、日本とドイツがこの問題にきわめて対照的な向き合い方をしていることが明らかになる。ドイツの事例が日本での議論にとって参考になると考えられる点をいくつかあげたうえで、今後の課題にも言及したい。