姫路文学館:企画展「生誕120年記念 木山捷平展」(2024年2月17日(土)〜4月14日(日))

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展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
http://www.himejibungakukan.jp/events/event/kiyama2024/

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※詳細は上記サイトをご確認ください。


平凡に、そしてたくましく生きる人々のいとなみを描き出し、その飄々とした無二の作品世界に根強いファンを持つ小説家・詩人木山捷平。

じつは、その苦悩の青春の一時期を姫路で小学校教員として過ごしていました。父親から文学の道を進むことを猛烈に反対され続けた木山が、個人誌「野人」を創刊したのは、姫路で教師をしていた昭和2年のことでした。その創刊号の後記に「私はひとりぼつちだ」と書いた孤独な青年は、この姫路時代の終わりの昭和4年に、第一詩集『野』の刊行と共についに上京を果たし、本格的な文学活動をスタートさせました。

昭和初期の文壇で頭角を現し始めた昭和19年12月、すでに敗戦の色濃くなった時期に満州に渡り、「百年を生きたほどの苦しみに耐えた」という約1年の難民生活を経て生還した木山。そんな苛酷な満州体験をユーモラスに綴った『耳学問』などにより、世の中がこの作家の魅力に気づいた時、彼はすでに五十代半ばとなっていました。

本展では、木山自身もほとんど何も書かなかった知られざる姫路時代にスポットをあてるほか、井伏鱒二、太宰治など同時代作家との交流、そしてようやく訪れた木山ブームの様相などをたどります。

「駄目も目である」――囲碁好きの木山が好んで書いた言葉です。どんなに辛く苦しい時も文学を手放さず、あえて目立たぬことを好むかのように、ひたすらに庶民の座に腰を下ろして書き続け、生きぬいた一人の男が、日本文学史上まれにみる作家として読み継がれている理由とは―。

生誕120年という節目に、没後50年以上を経ても愛され続ける「木山さん」の魅力にせまります。どうぞご期待ください。


観覧料 
(3月31日まで) 一般310円
(4月1日から) 一般450円
2024年度より、常設展料金の改定を行います。何卒ご了承ください。


協力 吉備路文学館
主催 姫路文学館