長尾宗典『帝国図書館――近代日本の「知」の物語』(中公新書)

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長尾宗典さまよりいただきました。

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新書判・並製・304頁
ISBN 978-4-12-102749-8 C1221
定価 920円+税

公式サイトはこちら。
https://www.chuko.co.jp/shinsho/2023/04/102749.html

■目次
まえがき

序 章 近代日本と図書館
 1 図書館の受容
  「思想」を仕入れる場所
  昔の図書館の姿
  翻訳語としての「図書館」
  文庫・書籍館・図書館
 2 国立図書館
  図書館の種類
  世界の国立図書館
  納本制度

 コラム1 帝国図書館史研究のあゆみ

第一章 多難なる船出
 1 書籍館誕生
  政府による図書館の設置
  文部省設立と市川清流の建白
  文部省博物局書籍館の設立
 2 博覧会事務局との合併・分離
  博覧会事務局との合併
  田中不二麿の分離要求
  博覧会か図書館か
  浅草文庫のこと
 3 東京書籍館
  東京書籍館の出発
  資料収集と納本制度
  目録と利用 
  アメリカに紹介された東京書籍館
  図書館は誰のために――法律書庫の一件

 コラム2 書籍館の開館日と「図書館記念日」

第二章 湯島から上野へ
 1 東京府書籍館
  東京書籍館の廃止
  東京府書籍館の時代
  聖堂という空間――よみがえる旧幕時代
  外国人雇用問題と財政難
 2 東京図書館への改組
  東京図書館の出発
  『文部省示諭事項』の「館種」論 
  東京図書館の課題
  東京図書館に通った人々
  小説の閲覧を禁止する
 3 「国立図書館」構想の原型
  上野への移転
  手島精一と田中稲城
  「書籍館ニ就キテノ卑見」 
  八門分類の確立と明治二〇年問題
  東京図書館と大日本教育会書籍館

 コラム3 甲部、乙部、丙部

第三章 帝国図書館誕生
 1 田中稲城の「国立図書館」構想
  田中稲城のアメリカ留学
  『東京図書館ニ関スル意見要略』
  東京図書館の利用者たち
  日本文庫協会設置
2 帝国図書館の設立に向けて
  「読書社会」の到来
  東京図書館の資料収集
  外山正一の演説 
  『帝国図書館設立案』
  片山潜対田中稲城
3 帝国図書館の設立
  帝国図書館官制の公布
  帝国図書館はどこに?
  図書館令の公布 
  地方からの視線
  創立期帝国図書館の状況

 コラム4 図書館に入った本の流れ

第四章 「東洋一の図書館」の理想と現実
 1 新館開館
  開館までの道のり
  館内の配置
  新館開館式典 
  資料の充実、業務の発展
  国際交換事業と外国資料の収集 
2 蔵書構築と利用者の動向
  新館の印象
  利用者マナーの問題
  したたかな利用者 
  どんな人が利用していたか
  どんな本が読まれていたか
3 明治末期の図書館界
  地方改良運動と図書館
  明治末期の東京市図書館事情
  小松原訓令 
  図書館標準目録
  社会主義文献の取り締まり

 コラム5 日本人の読書習慣

第五章 逆境のなかの図書館
 1 大正期の帝国図書館
  館史上の空白期間
  図書館の全国的展開
  大正前期の利用傾向 
  婦人閲覧室の利用者
  書庫、ついに限界を迎える
 2 第一次大戦後の図書館
  図書館教習所の設置
  田中稲城の退任
  松本喜一と田中稲城 
  関東大震災
  内務省との関係
 3 大正から昭和へ
  松本喜一の訪米と図書館見聞
  読書相談部の設置 
  松本喜一と日本図書館協会
  悲願の増築竣工と機構改革 
  人事の刷新と組織の発展

 コラム6 図書の出納と書庫環境

第六章 帝国図書館の黄昏
 1 思想問題と図書館利用
  「図書館の使命」と図書館記念日
  改正図書館令の時代 
  世界と日本の図書館
  一九三五年の転換
  国定教科書「図書館」
 2 戦時下の帝国図書館
  時局と図書館
  図書館の統制
  帝国図書館に運ばれた略奪図書 
  資料の疎開
  悪化する情勢
 3 占領下の図書館改革
  帝国図書館の再出発
  岡田温の三代目館長就任 
  日米図書館員の交流と図書館の再建
  国会図書館法公布
  国立図書館と国立国会図書館
  最後の国立図書館長・加藤宗厚

 コラム7 入館料金と年齢制限の変遷

終 章 国立国会図書館へ
  閉庁式典と蔵書の移転
  国際子ども図書館へ
  帝国図書館とは何であったのか

 コラム8 帝国図書館の職員構成

あとがき
主要参考文献
帝国図書館関連年表