古代文学会4月例会(第760回)(2023年4月8日(土)午後2時〜5時、Zoom)※要申し込み
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
日時:2023年4月8日(土) 午後2時より5時まで(例会終了後委員会を開きます)
※Zoom開始時刻は発表開始の30分前となっています。
場所:Zoom(登録後、参加用URLを含むメールがZoomより送信されます)
発表者 : 吉田修作氏
題目 : 国作り考
要旨 : 古事記、日本書紀一書でオホクニヌシ(オホナムチ)やスクナヒコナなどによる国作り(「作堅此国」古事記)が行われるが,古事記ではそれ以前に「天神の命以」てイザナキ・イザナミによる国の「修理固成」と続く国生みがなされる。イザナキ・イザナミによる国生みとオホクニヌシの国作りはいかに繫がるか。その国作りは高天原の天神の命に発して、黄泉国の境界でイザナミに対してイザナキが「「与汝所作之国、未作竟」という発話に及び、更に、根堅州国のスサノヲの言と呪力によって「始作国」として受け継がれ、オホクニヌシとスクナヒコナ、倭御諸山の神により出雲と倭の助力を得て完成されると考えられるが、天神の命による「修理固成」がどの範囲に及ぶのかという点で異論もある。一方、日本書紀一書ではオホナムチとスクナヒコナの国作りに相当することとを「天下経営」と表記する。古事記、日本書紀で国(葦原中国)と天下は区分けして用いられていることは周知のことである。他方、出雲国風土記でオホナモチを「天下所造らし大神」と称している。古事記のオホクニヌシの国作り、日本書紀のオホナムチの天下経営、出雲国風土記のオホナモチの天下所造らしし大神というテキストにおける差異はどのように考えられるか。更に、国作りの後の葦原中国平定の初めには、葦原中国が「伊多久佐夜芸弖有那理」(古事記)などとその負の位相が強調されるのは、いかなることか。これらに関して、古事記を基軸として日本書紀などを比較し検証する。
(司会:松田 浩氏)