アルバイト日誌「2023年、私の言葉を持って」(2023.01.06、れい)

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

 あけましておめでとうございます。2019年秋から始まったアルバイト日誌も、4年目に突入しました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 慌ただしく過ぎていった2022年後半は、最後の方は息も絶え絶えという感じで、きちんと完走できなかったのが少し残念でした。あれもこれもと考えるのは不得意な私、特に12月半ばは体がヘトヘトで、家の中で、楽しい年末年始の波に一人だけ乗ることができずに時間だけがただ粛々と過ぎていくような気持ちでいました。私の行動力の源は、単純な「好き」という気持ちや好奇心ですが、その軸に戻ることができなくなり、迷子になる瞬間があります。それは、私には、考えすぎる癖があり、本来休んだり、やらないという行為によって原点に帰る時間が必要なのに、それを忘れて無我夢中になってしまうのが原因です。生きていくためには、ただ前に突っ走っていく真っ直ぐな力も大切ですが、一方で、自分をシンプルに、そして冷徹に見る冷たい目も必要です。年末も差し迫った時、やっと、よく分からない、混濁とした感覚から紐が解けていき、思考が冷静になって澄んでいく感覚がしました。そして、周りを覆っている飾りや、ただなんとなく纏っていたものを取り除いた時、私は、文学や「書く」という表現する行為が好きで、そこに携わり続けたいのだと、はっきり自覚しました。そう、ただシンプルに思いました。

 感情の波まで伝わるような言葉、自然の研ぎ澄まされた色、細かな技術が結集した和菓子、荘厳な仏教美術、印象派の画の明暗...そういう美しいものが好きですが、「美しい」とは言えても、どう「美しい」かを表現するのは簡単なことではありません。どんなに綺麗なものでも、きちんと伝えなければ伝わらない。凡庸な言葉で済ませてはならないし、皆と同じような言葉ではない、そのものの佇まいや色合いまで伝えられるだけの固有の言葉を持たなければならないと思っています。そして、それを表現できる覚悟と鋭利さを持った人が、本当に素敵で、魅力を感じるのだと思います。

 2023年は、素敵な人間になるための努力と、そういう私として生きていくための力を少しでも得て、蓄えていきたいです。