東京文化財研究所:第56回オープンレクチャー「かたちを見る、かたちを読む」(2022年11月8日(火)13時30分~16時30分、於 東京文化財研究所・地下セミナー室イ※要申し込み
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●公式サイトはこちら
https://www.tobunken.go.jp/info/openlecture056/openlecture056.html
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
第56回オープンレクチャー
かたちを見る、かたちを読む
造形美術は、時や場所、作者等、さまざまな要素が絡みあい、ひとつのかたちとして結実しています。
それらの要素をひもとき、あらためてそのかたちを見つめ直す作業を繰り返しながら、
わたしたちはそこに込められたものをより深く、正確に読むことになるのではないでしょうか。
このレクチャーは当研究所の研究員による、そうした営みの成果をご紹介するものです。
2022年11月8日(火)
13時30分~16時30分(13時受付開始) 於 東京文化財研究所・地下セミナー室
遊楽図のまなざし― 徳川美術館蔵・相応寺屛風を中心に
江村 知子(文化財情報資料部副部長)
相応寺屛風は、17世紀初めに制作された近世初期風俗画のなかでも豊富な描写内容をもつ遊楽図の白眉として知られています。八曲一双の画面に屋外で遊ぶ人々、歌舞音曲を楽しむ人々、豪奢な邸宅で思い思いの遊興に浸る人々などが描かれています。こうした老若男女の遊ぶ姿はどのような意図をもって描かれ、またどのように鑑賞されてきたのでしょうか。高精細画像で作品の細部を観察しながら、その表現の特質を読みといてみたいと思います。
岸田劉生の静物画―「見る」ことの主題化
吉田 暁子(文化財情報資料部研究員)
周到な構図と緻密な描写によって知られる岸田劉生の静物画は、国内の多くの画家に影響を与えました。また岸田はある時期、静物画という画題に触発された文章を繰り返し書きました。作品と文章の双方に着目すると、静物画を通じて「描く」ことと「見る」ことに関係性を追及した画家の姿が浮かび上がります。本発表では、岸田劉生の代表的な静物画のうち、いくつかの作品について行った光学調査の結果を交えつつ、絵画制作と思索の軌跡をたどりたいと思います。