俳文学会東京研究例会第459回(2022年9月24日(土)14:30~17:00、江東区芭蕉記念館)
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第459回
2022年9月24日(土)14:30~17:00
江東区芭蕉記念館
第32回テーマ研究 「「かるみ」の新展開」
●シンポジウム
【趣旨】
周知のように、芭蕉は晩年、門人に対して盛んに「かるみ」を説いている。その終焉まで提唱されていった「かるみ」は、それがために蕉風の究極的な到達点とも認識され、研究史上、非常に重要な理念として位置付けられてきた。ただし、芭蕉の「かるみ」とは一体何か、という問いに、決定的な答えは出されていない。例えば、昭和10年代、中村俊定氏が「かるみ」を俳風(表現)の問題と捉えたのに対し、潁原退蔵氏が精神論と解したが、両者の根源的な対立は依然として完全に解消されたとは言えないのが現状であろう。「かるみ」を胚胎した時期も問題となる。また、常に変風を求める芭蕉が、最終的に一つの型に収まろうとしたのか。そして、研究と実作という問題から見ると、どうか。
もとより、自身が「かるみ」を体系的に論じた記事はないため、芭蕉の「かるみ」への理解には困難を伴うが、近年、金子はな氏『惟然・支考の「軽み」―芭蕉俳諧の受容と展開―』(武蔵野書院 、2021年)が刊行された。そこで、本シンポジウムでは、芭蕉の「かるみ」を研究者と俳句作者という二つの視点から照射しつつ、「かるみ」を継承した門人達の言説にも視野を広げ、「かるみ」とは何か、「かるみ」はいかに受容されたのか、について総合的に考えてみたい。討論では登壇者に加え、フロアの方々も交えての充実した議論を期待する。
14:30~ 趣旨説明(司会 佐藤勝明氏)
14:35~ 中森康之氏「金子はな『惟然・支考の「軽み」―芭蕉俳諧の受容と展開―』が提示したこと」
14:55~ 谷地快一氏「軽みと写生」
15:45~ 休憩
15:55~ 討論(金子はな氏・谷地氏・中森氏)
司会 佐藤氏
~17:00