コロナ禍の海外渡航備忘録:海外事情号番外編(渡辺哲史)

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

■はじめに

2022年4月23日に、アメリカのダートマス大学でおこなわれた「スプリングボード・ジャパン・プロジェクト」シンポジウムに参加してきました。2020年の文学通信へ入社直後からコロナ禍に突入し、対面学会をほとんど経験しないまま2年が経とうとしていた折に、このシンポへの対面参加のお誘いメールをいただき、二つ返事で「行きます」と回答していました。この短文は、今回経験した海外渡航に関する準備・情報収集・手続きについて、少しでも皆様の参考になればと思い、書きました。

なお、「スプリングボード・ジャパン・プロジェクト」については、以下のサイトがありますのでぜひこちらを参照ください。
https://sites.dartmouth.edu/springboard-japan-demo/


渡航先の国や州、そして時間の経過とともに、必要な手続きは刻々と変化しています。以下に書いた情報は、2022年4月に、アメリカのマサチューセッツ州ボストンへの渡航の際に準備したものです。最新の情報は外務省のサイト(https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html)や航空会社のサイト(https://www.ana.co.jp/ja/jp/topics/coronavirus-travel-information/immigration/)などで確認してください。


※2022年4月時点で必要だった証明書が6月にはもういらなくなっている模様。


■アメリカ・ボストン⇄日本への渡航に必要・準備したもの
※パスポート・航空券については割愛。

・ワクチン接種証明書(行き)
・PCR検査陰性証明書(行き)
・ESTA認証(行き)
・帰りのPCR検査・陰性証明書(帰り)
・ファストトラックアプリ申請(帰り)


【ワクチン接種証明書】(行き)

自治体へ申請してからおおよそ一週間ほどで証明書が届いた。
アプリだと証明書が即発行できるが、パスポートだけでなく、マイナンバーカードが必要な点が要注意。
https://www.digital.go.jp/policies/vaccinecert/

ちなみに私はアプリで証明書発行を試みたが、持っていたスマホ(購入して1-2年)がマイナンバーカードを何回ためしてみても読み取れず、仕方なく紙での発行にした。(のちにスマホを買い替えた際に、マイナンバーをうまく読み取れたので、やはりスマホ、もしくはカードへのかざし方?が原因だった模様)

ワクチンの種類によって異なるが、今回の渡航では、接種2回以上、接種完了から14日が経過していることが条件だった。


【PCR検査陰性証明書】
(行き)

成田空港からのフライト予定時間は夕方17時ごろだったので、フライト当日の昼すぎに空港内の検査センターで受診。1時間半〜2時間ほどで検査結果がでる。

・成田国際空港 PCRセンター
https://www.nms-pcr.com/

PCR検査は現在ではさまざまな場所で受けられ、価格もいろいろあるが、フライト24時間以内に検査結果が出る+英文証明書発行+自宅から空港へのルートからそれほど離れていない、という条件を考えると、成田空港で検査を受けるのが一番確実でコストも抑えられると思った(とはいえ23,000円はやはり高い)。さらに予約をするとしないでは料金が倍くらいかかるので、要予約。

検査方法は受付カウンターで、鼻に綿棒を入れてぬぐう方法か、唾液採取の2種類が選べた。前者は痛いという噂を聞いていたので、迷わず唾液を選択。(あとから気づいたが渡航先によっては唾液は不可らしい)

ちなみに気合いを入れて成田空港でPCR検査を受けて陰性証明書をもらったものの、航空会社へのチェックイン以降は一度も提示を求められることがなかった...。

※陰性報告


【ESTA認証】(行き)

アメリカへの短期渡航に必要な申請。平時のアメリカへの渡航であれば、パスポートと航空券さえあればとりあえず行けるのだろう、と思っていたが、このESTA認証が必要。短期ビザのかわりになるものらしい。

以下のリンクより、渡航の72時間前までに要申請。
https://esta.cbp.dhs.gov/
※2024年2月29日追記:読者による指摘で、渡辺が貼付・使用したサイト[https://esta-center.com/]が、アメリカ合衆国の公式のものではなく、代行業者(公式より高額)のものだということがわかりました。お詫びして訂正いたします

【帰りのPCR検査・陰性証明書】(帰り)

アメリカ出国72時間以内のPCR検査・陰性証明書の発行が必要。
日本への入国については、こちらの厚生労働省【水際対策】出国前検査証明書についてを参照。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00248.html

これがもっともホスト先の先生に手間をかけさせてしまった(と思われる)。帰りの飛行機が現地時間の朝10時に出発。空港内にはPCR検査場があるが、そちらが開くのは朝の8時。チェックインの時間と検査結果待ちの時間を考えると、フライト当日の朝にPCR検査を受けるのはかなり無謀。

上記の事情をホストの先生に相談したところ、滞在先からもっとも近い検査会場(高速道路で車で片道1時間半。アメリカは広い)の算段をつけていただいた。

メイシーズというショッピングモールのだだっ広い駐車場にポツンとバンが停まっていて、車に乗ったまま窓を開けてPCR検査を受けさせてもらった。

使った予約サイト
https://wellbility.app/online-booking/manchester-mall-testing-clinic


※この駐車場にバンがポツンと停まっていた。

検査結果が出るおおよそ1時間、メイシーズ内のダンキン・ドーナッツでコーヒーを飲みながら待機。無事陰性証明書を取得。


【ファストトラックアプリ申請】(帰り)

アプリで事前に検疫手続きを済ませられ、日本に到着した際に、空港から出る時間を短縮できる。
https://www.hco.mhlw.go.jp/fasttrack/

アプリをインストールし、パスポート番号、ワクチン接種証明書、検査証明書(72時間以内のもの)をアプリで読み取る。6時間ほどで審査が完了(アプリの色が赤色から緑色になれば完了)。

しかし日本到着後も、結局PCR検査を受け、結果が出る1時間ほどはロビーで待機。アメリカで陰性証明書を取得し、上記の「ファストトラック」申請をしても、ここでチェックを受けることになる。水際対策はかなり厳重。


■終わりに

以上、2022年4月時点でアメリカ・ボストン⇄日本の渡航の際に必要だったもろもろを書き連ねました。オンライン学会だったらZoomリンクへのクリック一つで参加できるが、現状、対面だと、宿や交通手段の手配に加えて上記のコロナに関わる情報収集(しかも最新のもの)・手続きも念頭に入れる必要があります。

本当に現地のホストの先生がたには、力を借りっぱなしにしてしまった海外渡航でした。いま一緒に進めている企画を、少しでも良い形にすることでなんとか恩返しをしていきたいです。ありがとうございました。

FRGvoEMWUAEw-6c.jpeg
※帰りのフライトのチェックインを済ませ、ロビーのベンチでほっと一息して撮った朝焼けと航空機(これに乗ったわけではない)