東京大学ヒューマニティーズセンター:HMC第71回オープンセミナー「明治文芸書の装幀と印刷」(2022年7月8日(金)17時30分〜19時30分、Zoom)※要申し込み

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/events/z2010_00038.html
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※詳細は上記サイトをご確認ください。


HMC第71回オープンセミナー 明治文芸書の装幀と印刷

2022年7月8日 17時30分 -- 19時30分
開催場所 オンライン

参加費 無料
要事前申込

東京大学ヒューマニティーズセンター(HMC)では定期的にオープンセミナーを行い、HMCフェローの先生方の研究成果を発信しております。今回は第71回目のセミナーとなります。ご関心ある皆様のご参加をお待ちしております。


講演者:岩切信一郎(國學院大學大学院講師・美術史家)
企画・司会:出口智之(東京大学大学院総合文化研究科准教授)

概要

私の研究は、画家・版画家・装幀デザイナーであった「橋口五葉」への関心から始まっています。夏目漱石の一連の著書の装幀、あるいは今日、国際的に知られる「新版画」にあっても知られている訳ですが、その五葉の画業や仕事を探求する内に、背景にある明治期のデザインや印刷、時代の美術や文化の変遷へと好奇心を深めていきました。そして機会を得てまとめたのが『明治版画史』でした。今回は、文芸を商品化する上で重要な近代印刷、および文芸を包む製本・装幀、さらにこれらの変遷について具体例をあげてお話したいと思います。著者、出版までは研究が盛んですが、近代文芸に不可欠な印刷とか印刷美ということについての関心は薄いようです。今や時代は、紙媒体・印刷物伝達の時代から電子伝達の時代を迎えております。それはさて置き、当日に予定する内容は、江戸(和本)から明治(洋装本)へと、いつ頃、どのような変遷を経てきたのか、本のサイズの選択、製本の変遷、大量出版を可能にした印刷の装置、活字だけでなく平版の石版全盛の様相、写真製版、コロタイプ導入など変転目まぐるしい明治期に焦点を合わせ、具体例を挙げて示すつもりです。明治という豊かな文芸時代を仕組んだ印刷文化との兼ね合いを出来るだけ分かり易いかたちでお話しできればと思う次第です。(岩切信一郎)