アルバイト日誌「新幹線の車窓から」(2022.6.17、れい)

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

 こんにちは、れいです。文学通信の最寄りは東十条駅なのですが、在来線の上に新幹線の線路があり、時々新幹線が走っているのが見えます。幼い頃鉄道が好きで、今も電車を見ると色や形、内装など見てしまう私。時々鉄道関連の情報を見て楽しんでいるのですが、先日、鉄道開業150周年を記念し、E2系に200系の復刻塗装がされるとのニュースを聞き、嬉しくなりました。200系は2013年に定期運行を終了しているので緑の塗装にそこまで親近感があるわけではないのですが、「復活」と言う言葉に弱いのですよね。早速運行している映像を見たのですが、これぞ新幹線みたいな色で素敵でした。

 鉄道ファンといえるほどではありませんが、好きと感じる一番の理由は、やはり車窓です。少しずつ変わっていく街並みや風景を見ていると(当然のことではありますが)確かに大地は繋がっているのだなと感じますし、それぞれの地域の天候や特徴が殊に分かるのが楽しいです。前、冬の東海道新幹線で途中関ヶ原、米原のあたりが大雪だったのですが、その地域を抜けたら全く雪はなく驚いた思い出があります。後に理由を知ったのですが、そこまで離れていない場所でも気候は全然違うだと実感する出来事でした。

 そして最近の楽しみが、その土地の車窓を思い出したり画像を検索しながら、古典を読むこと。古い作品では菅原孝標女『更級日記』の上洛の記がありますが、和歌にも歌枕として各地の名所が詠まれており、(歌枕なので、実景ではない場合が多分にありますが)それぞれの地の景を見ながら和歌を読むとより勉強になります。何より、現代で私が見る景色と作品の中に描かれるものが重なることで、作品の面白さや作者の感情というものが真に迫ってきます。そして、(鉄道の話に戻りますが)線路が引かれた場所や駅の歴史を見ると、その土地に人々がどのように暮らしてきたか、発展してきたかが分かり、古代から現代までの大きな変遷が見えてくるのも楽しいですよね。例えば線路に勾配があったり、長いトンネルがあるのならば、この地は越えるのが大変だったのかな、といった想像ができます。そういう所で、古典の世界と今の私たちの世界が確かに一続きの線で結ばれるのだと感じます。

 今最も楽しみなのが、サントリー美術館で行われる展覧会「歌枕 あなたの知らない心の風景」。歌枕を和歌の中だけではなく美術作品との繋がりから見られるようで、心惹かれています。6月29日(水)からとのことです!