毎日新聞読書面(2022.4.30)にて、目時美穂『たたかう講談師 二代目松林伯円の幕末・明治』の書評が掲載されました(評者・渡辺保氏)

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今週の本棚:『たたかう講談師』=目時美穂・著 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220430/ddm/015/070/008000c

本書の詳細は以下。------

9784909658661.jpg

目時美穂
『たたかう講談師 二代目松林伯円の幕末・明治』
ISBN978-4-909658-66-1 C0095
四六判・並製・402頁(カラー口絵1頁)
定価:本体2,500円(税別)

幕末から明治中期、講談は爆発的に流行した。講談にはすべてがあった。いうなれば、痛快な娯楽映画も、泣かせてくれる人情物も、教養番組も、さらには新時代の最新の情報もあった――。
講談の全盛時代を築き、生涯に七十作以上の新作講談を創作、どろぼうを主人公にした作品を次々に発表し、世に「どろぼう伯円」とよばれてもてはやされ、民衆の圧倒的な人気を席巻した二代目松林伯円。
幕末、明治、時代の流行の最先端にたった松林伯円とはどのような人物だったのだろうか。初の評伝、遂に登場!

【どうして講談師を志し、何を願って芸を磨き、死の数年前まで高座にあがりつづけたのか。細切れになった記録をつむぎなおして、幕末、明治を生きた忘れられた名人の、ほのかな面影だけでも浮かびあがらせたい。死と忘却は生けるものすべてに等しくおとずれる。だが、できるならば、伯円の生涯を、彼が生きた時代の余香とともに、しばし地上にとどめておきたい。】...「序 消えた伯円」より

■本書の刊行を記念した連載エッセイはこちら
【連載】ゆらめく勧善懲悪 二代目松林伯円の講談世界

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【著者紹介】

目時美穂(めとき・みほ)

1978年静岡県生まれ。2003年明治大学文学部フランス文学専攻修士取得、2009年同博士後期課程単位取得満期退学。専攻研究のかたわら明治時代の文化風習、文学等に興味を持つ。在学中、古書情報誌『彷書月刊』へ。2010年の休刊号まで編集に携わる。著書に『油うる日々─明治の文人戸川残花の生き方』(芸術新聞社、2015年)。

【目次】

序 消えた伯円

第1章 講釈師になりたし 

講釈少年あらわる
本物の壁
二代目松林伯円を襲名

第2章 どろぼう伯円 

三幅対のどろぼう 小団次·黙阿弥·伯円
リアリティーの勘所
菊は栄える葵は枯れる
江戸のなごり『天保六花撰』

第3章 明治の御世がやってきた 

国民教化に協力せよ
文明開化の音
講談師 英国人ブラック
西洋小説の翻案に挑んでみる

第4章 新聞を読む 

ごひいき「郵便報知新聞」
伯円流、強盗殺人事件の報道
明治の内乱を講談にする
高弟たちの弟子入り次第
「開化」を掲げて関西興行旅行

第5章 猫も杓子も自由民権 

自由民権の壮士、講談師となる
自由民権の時代に育った生意気な弟子たち

第6章 ことばを写真に撮る

口述速記の誕生まで
講談速記『安政三組盃』
舌があるやうでは到底満足に喋舌れるものでない

第7章 芸に皺は寄せない 

東京改良演芸会の時代
女弟子たち
対決・正論派対睦派
最高の栄誉、御前講演
乗り遅れたる渡船かな
余生

おわりに

略年譜