KUDH Basics:人文学資料デジタル化の基礎知識・TEIワークショップ(2022年3月29日(火)30日(水)、Zoom)※要申し込み
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●公式サイトはこちら
https://www.bun.kyoto-u.ac.jp/events/kudh-basics-tei/
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
人文知連携拠点では、昨年度の京都大学文学研究科・文学部公開シンポジウムにおいて「デジタル人文学」について議論する場を設けました。デジタルツールの利用が研究者の基本的リテラシーとなりつつある昨今において、このシンポジウムは、「デジタル人文学」の課題とそれに向けて求められる教育について考える機会となりました。そのため、今年度から初学者でもデジタルツールを実践できるようになることを目的に、「Kyoto University Digitization Hub of the Humanities, Social and Cognitive Sciences (KUDH) Basics」と題したワークショップシリーズを始動し、第1弾として夏にLaTeX講座、第2弾として文献管理ソフトウェア講座を開催したほか、専門家向けに京都大学デジタル人文学国際会議KUDH2021 "Digital Transformation in the Humanities"も開催しました。
そして、この度、TEIについて国内外で活躍されている、人文情報学研究所の永崎研宣氏を講師としてお招きして、3月29日と30日にKUDH Basicsワークショップの第3弾であるTEIワークショップを開催する運びとなりました。TEIはText Encoding Initiativeという学術団体の略称で、この団体はTEIガイドラインを策定しています。このガイドラインに準拠したXML形式はTEI XMLと呼ばれ、本ワークショップでは、TEI XML形式で人文学資料を構造化していき機械可読にする方法を学びます。TEI XMLは、西洋古典学ではPerseus Digital Library、コーパス言語学ではBritish National Corpus、日本古典学では東京大学附属図書館の「デジタル源氏物語」など、人文学の幅広い分野で用いられています。
TEIガイドラインは、主に欧米の人文学研究者によるコミュニティが1987年から策定を続けてきた、人文学のデジタル研究資料を人文学に役立つような構造にするためのルールです。散文の文献のみならず、戯曲や韻律詩、校訂テキスト、スピーチ、コーパス、辞書、稀覯本の詳細な書誌情報等々、様々な資料に対応した手法が提示されています。欧米圏以外の資料への対応がやや弱く、日本ではあまり広まっていませんでしたが、近年、国際化が進み、特に日本語資料はその先鋒として対応が進められています(ぜひTEI-C 東アジア/日本語分科会の「日本語向けTEIガイドライン」をご覧ください)。
本ワークショップでは、そのような状況に鑑みて、TEIガイドラインを踏まえたテキスト資料の構造化とそれを応用するための手法の初歩を手ほどきします。教材としては、今回初めて、東北大学附属図書館のデジタルコレクションから公開されている夏目漱石の書簡を扱います。一次資料としての書簡を構造化することを通じて、TEIガイドラインが主眼とする人文学向けのデジタル化資料共有の理想的なあり方について学んでいただきます。
皆様のご参加をお待ちいたします。なお、講座は録画され、今までのワークショップと同様「京都大学大学院文学研究科・文学部人文知連携拠点 成果公開WEB」にて後日公開されます。
スケジュール:
1日目:3月29日(火)10:30〜16:30 (休憩:12:00〜13:15、14:45〜15:00)
2日目:3月30日(水) 10:30〜16:30 (休憩:12:00〜13:15、14:45〜15:00)
開催方法:Zoomにてオンライン開催
参加無料、要事前予約(先着30名程度、見逃し配信は人数無制限)
録画した映像は、人文知連携拠点文学研究科・文学部成果公開WEB(https://www.ceschi.bun.kyoto-u.ac.jp/kyoten/)に掲載されます。後日視聴する場合、事前予約は必要ございません。