アルバイト日誌「紙の本を買うという営みの豊かさ」(2022.3.17、れい)

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 こんにちは、れいです。昨夜の地震は大丈夫でしたでしょうか...?

 私の住んでいる地域も揺れはありましたが、特に被害などはありませんでした。余震などの警戒も続けていく必要があるようで、皆さまもどうかお気をつけください。

 大学生最後の春休み、この時勢では中々遠出することは難しいですが、都内でということで、先日神保町に遊びに行ってきました。大学2年生までは、大学の帰りに神保町散策をしたこともあったのですが、コロナ禍になり足が遠ざかってしまい...2年ぶりでした。

 同じ学科の友人と、書店・古本屋さん・レコード店などを一日ひたすら巡りました。日本文学の本を見て、あれもこれも...!となった私。計画立てて購入しなければお財布の中身が、と思いました。途中休憩は、神保町ラドリオ。ラドリオは、ウインナーコーヒーを初めて日本で提供したという歴史のある喫茶店で、雰囲気もコーヒーのお味も最高でした。卒業旅行のかわり、とまではいきませんが、本にCD、コーヒーとお土産を多く抱えて帰宅した日でした。

 本好きな友人のため、個々のペースでじっくりと回れたのが良かったです。普段から書店を見て回る私ですが、久々に紙にまみえる、という経験をしたように思います。そしてやはり二人とも、紙の本って良い!という結論に至るわけです。それは、電子書籍を否定しているということではなく、デジタルはデジタルの良さがありながら、けれども紙って素敵ね、ということです。

 そしてまた、デジタルか現物の紙か云々の前に、やはり書籍というものが様々な手続きを経て出版されているという確実性、知識の集約の場としての役割というものをひしひしと感じました。思い返してみれば、スマートフォンが普及し出したのは私が中学生の時。当時、まとめサイトというものが流行っており、真偽不確かな情報が平気であがっていたことを懐かしく思い出します。それから10年近く経ち、SNSを含め、インターネット上に「公式」が増えて、確かな情報が気軽に手に入る時代になりました。けれども、今も正しい情報ばかりではないです。それは、誰でも簡単に参加できる場所である以上、仕方のないことだと思いますし、受け取る側がその情報を見極める必要があります。

 そしてまた、情報・知識を簡単に手にすることができるようになった時代、それらを手に入れるためにお金を払うという営みが軽んじられている、と友人と話しました。それは、知識だけではなく、服飾や文化といった面も同じかもしれません。時代は変化していくのが当たり前ですが、帰り道の本の重みは、その「営み」の豊かさを証明するようでした。

 友人はしばらく東京を離れるため、気軽に会うことは難しくなりますが、また何年後、何十年後もこうして本の良さを語り合えたらと思います。

 外はすっかり桜が咲きそうな陽気ですね。皆さまもどうか良い春をお過ごしください。