東京国立博物館:日本美術(本館) 全巻修理完了記念「日本最古の医学書・国宝「医心方」の世界」(2022年2月8日(火)~ 2022年3月21日(月)、本館 特別1室・特別2室)

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展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2140
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※詳細は上記サイトをご確認ください。


永観(えいかん)2年(984)、針博士・丹波康頼(たんばのやすより、912~995)によって編纂(へんさん)され成立した「医心方(いしんぽう)」は、古代東洋医学に関する知識の宝庫であり、また日本に現存する最古の医学書です。東京国立博物館が所蔵する「医心方」は、諸写本の中で最も古く、かつ全巻が揃っており、国宝に指定されています。

しかしながら、虫損(ちゅうそん)や破損による本紙の劣化が非常に進行しており、長く後世に伝えるためには修理を実施する必要がありました。そこで、平成27年(2015)から令和2年(2020)にかけて修理が行なわれました。調査から室町時代後期より後に大掛かりな修理は行なわれていないことがわかりましたので、今回の修理はおよそ450年ぶりの事業となりました。

本展はこの修理の完了を記念して、「医心方」30巻1冊すべてを展示するものです。併せて修理でえられた知見や修理工程もご紹介します。

「医心方」成立から千年。世界では新型コロナウイルスが猛威を振るっています。「医心方」は古代東アジア世界が直面した病気とその対処法を記した書物ですが、現代に生きる私たちの暮らしにも多くの示唆を与えてくれることでしょう。