訓点語学会:2021年度第2回古辞書講習会(2021年12月12日(日)9時~17時、オンライン)

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://kuntengo.com/training_session/
--------------------
※申し込み終了。詳細は上記サイトをご確認ください。


【趣旨】古辞書は、訓点語研究において重要な位置を占めています。それは、訓点資料に記載された和訓を大量に転載しているからです。特に『類聚名義抄』は訓点資料の和訓を集大成した資料と位置付けられます。和訓以外でも、反切・類音注・声点・仮名によって示される字音の研究、「正」「通」「俗」などの注記によって示される漢字字体の研究は訓点語研究の重要なテーマです。古辞書には多数の典籍からの引用があります。現行の典籍本文との比較検討を通した本文の精密な解読、現在は失われてしまった典籍からの引用文を通してそれらの典籍の構成・内容を復元することもなされています。

【日時】12月12日(日)9時~17時(12時から13時30分まで休憩時間)
オンライン開催
【参加資格】会員以外の方も参加できます。
(初回の講習会に参加している必要はありません)
【人数】30名程度。希望者多数の場合は先着順とします。
【費用】無料

【締め切り】12月5日(日)

【講師・内容】
佐々木勇(広島大学教授)「日本古辞書による日本漢字音研究」
本講習の第一部では、まず、平安・鎌倉時代の古辞書・音義における字音注とはいかなるものかを、確認します。その上で、それらを日本漢字音資料として用いる場合の問題点・注意すべき点を、皆で考えてみたいと思います。
第二部では、同一辞書の複製本数種を比較し、それらの字音注(仮名・声点等)に、複製本によって、見えるものと見えないものとがあることを、実体験してもらいます。その後、同一辞書の同一範囲の声点を各自の判断で認定してもらった後、全員分を照合します。そして、問題とされることが多い声点の軽重について、今後の研究に有効な認定法を探ってみたいと思います。

池田証寿(北海道大学名誉教授)「日本古辞書を読むための資料と実際(2)」
取り上げる古辞書は、平安時代を代表する辞書である『新撰字鏡』・『倭名類聚抄』・『類聚名義抄』です。『類聚名義抄』は原撰本と改編本の二種があり、原撰本は『倭名類聚抄』を重要な材料としていますし、改編本は『新撰字鏡』を増補の材料としています。
古辞書の研究では、その材料を探索してその内容を分析することが重要ですが、それにとどまらず、編纂の材料から採用しなかった内容を分析することも必要な観点です。

第2回は原撰本『類聚名義抄』を取り上げる予定です。