東アジア恠異学会 第132回定例研究会/第6回オンライン研究会(2021年7月17日(土)13時〜、zoom)※要申し込み

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://kaiigakkai.jp/invitation.html
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※申し込み等は上記サイトをご確認ください。


東アジア恠異学会
 第132回定例研究会/第6回オンライン研究会
 日時:2021年7月17日(土)13時〜
 場所:zoomにて


○「雷獣の出現と文化的展開」
 ー木場貴俊氏(京都先端科学大学)

【要旨】
雷とともに落ちてくるとされる「雷獣」は、18世紀に入って日本で広く知られるようになった奇獣である。雷獣の類例は『古事類苑』や『廣文庫』などにも収録されており、専論としては吉岡郁夫「雷獣考」(『比較民俗研究』21、2007 リポジトリ有)などがある。ただし、これらは雷獣の生態に関するものが主である。当時雷獣が出現したことは、当時の社会にどのような意味があったのだろうか。 先行する文献・研究を踏まえながら、報告では、文芸でのキャラクターとしての登場など、雷獣が近世日本社会に与えた影響を考えてみたい。

○「前近代中国の基層社会における災異受容と通俗信仰」
 ー佐々木聡氏(金沢学院大学)

【要旨】
漢代に体系化された祥瑞災異説・天人相関思想は、後に日本に伝わり、変容しつつ受容されていった。一方、中国でも祥瑞災異説は、儒教理念に組み込まれて前近代を通じて受け継がれてゆく。そのためか、祥瑞災異をめぐる思想・観念は、儒教的なものと見られがちだが、実際には、道教や通俗信仰などの中にも、その思想や観念が濃厚に現れている。 そこで本報告では、特に中世の敦煌文献や近世の日用類書・通書などに着目し、そこに見える怪異を占い、凶兆を祓うための知識、またそれを職能として行使する宗教者のあり方を検証してゆく。これにより基層社会における「怪異」をめぐる人々の営みの実態とその意義を明らかにしてみたい。