芦屋市 谷崎潤一郎記念館:2020年春の特別展「潤一郎の美術展〜文豪ゆかりの「美」に浸る〜」(2020年4月1日(水)〜6月7日(日))
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●公式サイトはこちら
https://www.tanizakikan.com/history.html#spring
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日程:2020年4月1日(水)〜6月7日(日)
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
入場料:一般500円/大高生400円/中学生以下は無料
谷崎潤一郎は、美しいものをこよなく愛しました。文豪ゆかりの絵画・美術品には、その美意識や関連する作品の味わいが滲み出ています。
傑作「細雪」の伝統とモダンの調和の美は、女たちのキモノ選びを描く小磯良平の佳作に見事に表されています。洋画家・和田三造の描く暗闇に浮かぶお琴と佐助は、日本画家による春琴抄より、谷崎が好んだものでした。 谷崎一流の「陰翳の美」も、モダンの枠組みの中でこそのものだったのでしょうか。
北野恒富「雪の朝」は、谷崎好みの王朝趣味溢れる美人画の逸品。軸の表装には、松子夫人のキモノが使われています。 文豪には、画中の美女と最愛の女性とがオーバーラップして見えていたのかもしれません。王朝趣味といえば、俵屋宗達「源氏物語屏風切」は一つの極み。 もと源氏五十四帖の各場面を描き込めた屏風から切りとられたという数奇な伝来を持つ大和絵の名品で、源氏物語口語訳に没頭していた谷崎が、 執筆の慰みにしていたといいます。あわせて、日本画の錚々たる大家たちが谷崎源氏に寄せた挿絵の数々も、絵巻さながらの壮観さで見ごたえ十分。
棟方志功は、数多くの谷崎作品の装丁・挿絵に携わりました。棟方独特の「板画」とともに貴重な肉筆画の数々も味わい深く、 文豪との親交が触媒となった鬼才ならではの感性のきらめきが眩しく迫ります。
今ここに満ちているのは、谷崎の美か、巨匠たちの美か。いずれにせよ、それはきっと、私たちを美しい夢へといざなってくれることでしょう。