日本出版学会:出版史研究部会・雑誌研究部会〔共催〕「「誌友交際」と明治後期の出版流通」(2020年2月27日(木)、上智大学四谷キャンパス 7号館4F共用室D)※要申し込み
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http://www.shuppan.jp/yotei/1156-2020227.html
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※申し込みは上記公式サイトをご確認ください。
日 時: 2020年2月27日(木) 18時30分~20時30分
報 告: 長尾宗典 会員(城西国際大学)
場 所: 上智大学四谷キャンパス 7号館4F共用室D
参加費: 無料
【報告要旨】
日清戦争後から明治末期にかけて、地域社会では、中学生を発行の主体とする同人雑誌の発刊が相次いで行われ、ちょっとした流行現象となっていた。彼らは東京府で発行される『文庫』や『文章世界』に投稿するとともに、常連投稿者同志で互いに文通しあい、「誌友交際」というべき独自のコミュニケーションを築きあげていた。多くの場合、採算が取れないまま続々と雑誌を発行し続けることが多かったが、それに没頭する少年たちの姿もまた独特である。彼らは何を思い、雑誌に託していたのか。この点の解明は、雑誌が明治時代の果たしていた役割についても示唆を与えると思われる。また、流行文化としての「誌友交際」が、明治末期になって、急速に下火になっていったのは何故かという問題も興味深い論点となる。
本報告では、報告者のこれまでの地方雑誌探索の成果を振り返り、都市における出版資本の形成や流通網の変革という観点も導入しながら、地域発行の同人雑誌の興亡について出版史の観点から検討を加えてみたい。