ギャラリー森山「津軽デジタル風土記  ねぷた 見送り絵リブート!~デジタルアーカイブからよみがえる北斎の女たち~」【弘前大学・国文学研究資料館主催】(2019年10月4日(金)~6日(日)、ギャラリー森山【青森県弘前市】)

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

展覧会情報です。

●参考サイト
https://www.nijl.ac.jp/pages/cijproject/images/20191004_neputa.pdf
http://ganzan-kawamura.blog.jp/archives/16908106.html


--------------------

20191004_neputa.jpg

津軽デジタル風土記
 ねぷた 見送り絵リブート!
 ~デジタルアーカイブからよみがえる北斎の女たち~

会場 
ギャラリー森山
〒036-8228 青森県弘前市樹木2丁目20-2
電話: 0172-35-6787

期間
 2019年10月4日(金)~6日(日)
 10:00~16:00、但し最終日は15:00閉場

入場料 無料

★展示のみどころ
*すべて川村岩山氏による総天然色描き下ろし。
*期間中に人気投票"NPT総選挙"開催。 アンケート記入&投票で展示作品のポストカードプレゼント!
*キャプションのQRコードから、北斎の元絵のデジタル画像へリンク。

国文学研究資料館と弘前大学をはじめとした諸機関は、2017年度から「文献観光資源 学」という共同プロジェクトを進めてきました。その中の一つに位置づけられる「津軽デ ジタル風土記」は、津軽関連の史資料をデジタルアーカイブしながら、観光資源として有 効活用する道を探るプロジェクトです。今回の展示はその具体的な成果の一つです。

弘前のねぷたは、青森市などの人形ねぶた(組ねぶた)とは異なり、絵の扇ねぷたが中 心です。その表面の「鏡絵」には武者など勇壮な絵が描かれることが多いのに対し、裏面 の「見送り絵」は女性像が中心となります。今回の展示は、北斎の伝奇小説の挿絵をベー スに、新たな見送り絵を創出しようというコンセプトのもと、色紙の上に展開されます。

弘前のねぷた絵の歴史をひもとくと、その第一人者であった竹森節堂(1896~1970) 以来、その素材には北斎やその弟子が描く水滸伝や伝奇小説の挿絵が多く使用されてきま した。今回の見送り絵を手がけた川村岩山氏の師・長谷川達温も、やはり江戸時代の小説 挿絵から着想を得ていることが、残された作品や下絵の分析から明らかになっています。

そのようなねぷた絵作成プロセスのDNAを継承し、デジタル画像化された北斎らの絵 をもとに、新たな見送り絵として令和の世に問おうというのが、今回のプロジェクトの出 発点にあります。
個展であると同時に、新たなる見送り絵の提案──「再起動(reboot)」にはそんな思 いが込められています。


以下、川村岩山さんのブログより
【何故「リブート」にするかということは、私は聞きなれなかったのですが、国文学研究資料館の木越俊介准教授によると、

 「リブート」とは、直訳では再起動だが、「リメイク」とは異なり、作品の世界観を保ちつつ内容は刷新するという場合に用いる。

 私がすべて長谷川達温先生の下絵から描いたのであればリメイクであるが、今回はねぷた絵の方向性を見極めた上で、温故知新を目指しているのでリブートが適切である。」

ということでした。

今現在私は、約30点を掲示できるよう鋭意努力して描いています。

チョイスされた読本挿絵(おおかた国文学研究資料館のチョイスです)を、ねぷた見送りとして適切になるよう補正して描いています。

一番補正することは、顔は勿論ですが、8頭身の姿です。

ねぷた本体に展開した時に下から見上げるような目線になるので、頭をあまり小さくしないよう調整(多くが胴体の長短です)しています。

また、すべてが北斎派の挿絵ではなく、歌川派の絵もあります。

私なりに言わせてもらえば、北斎派の絵は見慣れている感じですが歌川派は少し違和感があります。

それは同じ女性の立ち姿でも、歌川派は絵が(構図上三角形を念頭に置いているせいか?)横に広がり、安定感はあるが北斎派に比べ動きが鈍くなるような感じがします。

どうしても役者絵、歌舞伎絵が得意な歌川派なので仕方がありませんが、なかなか「手」を描かないので、動きを出す為に着物の袖のさばき方(着物の袖の描き方)に特徴があります。

絵の評論は避けたいところですが、何故歌川派の絵がねぷた見送りに採用になりにくいのかという疑問に、どうやらやっと回答できる位(点数つけると60点かな)になってきました。】