日本比較文学会 関西支部7月例会(2019年7月20日(土)午後2時~5時、京都外国語大学1号館3階132教室)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://hikakukansaishibu.blogspot.com/2019/06/blog-post.html

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日時:2019年7月20日(土)午後2時~5時
場所:京都外国語大学1号館3階132教室

【シンポジウム】

タイトル:
対比・影響・モチーフから読む カズオ・イシグロ

司会:
荘中孝之(京都外国語短期大学教授)

講師:
三村尚央(千葉工業大学教授)
カズオ・イシグロが描き出す意識の周縁
――W・G・ゼーバルトと比較しながら

講師:
荘中孝之(京都外国語短期大学教授)
カズオ・イシグロとアメリカ大衆文化

講師:
森川慎也(北海学園大学准教授)
イシグロ文学に見られるジョイス的技法
――"Eveline"とA Pale View of Hillsの比較

ディスカッサント:
川島健(同志社大学教授)

【要旨:このシンポジウムでは、対比・影響・モチーフという手法、観点から、カズオ・イシグロのいくつかの作品を考察してみたい。一人目の発表者三村は、意識の周縁としての無意識と地理的な周縁を重ね合わせていくイシグロとドイツの作家W. G. Sebaldを対比して、両作家にとっての「周縁」の意味を考察する。二人目の荘中は、イシグロの創作においてアメリカ大衆文化がいかに大きな役割を果たしているかということを、海洋学者であった父からの影響にも言及しつつ、具体的な作品の分析を通して明らかにする。最後に登壇する森川は、イシグロの長編第一作A Pale View of Hills (1982)をアイルランドの作家James Joyceの"Eveline"と比較しながら、おもに死者の呪縛というモチーフに関して両者の関テクスト性を探る。これらの考察を通じて、イシグロの特徴や世界観、他の作家との共通点などの一端が明らかとなるであろう。】