小樽文学館・企画展「いまプロレタリア芸術が面白い! 知られざる昭和の大衆文化運動」(2019年7月6日(土)~8月18日(日))

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展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
http://otarubungakusha.com/next/2019023467

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【主催 昭和戦前期プロレタリア文化運動資料研究会・市立小樽文学館

ごあいさつ  大正末期から昭和戦前期は「大衆」の時代でした。中でも、1920年代初頭から30年代前半にかけて「プロレタリア文化運動」と呼ばれる大衆運動が盛んになり、全国各地で無名の労働者や農民たちが運動に参加しました。

この運動は、社会主義・共産主義思想の影響を受けつつ、芸術活動を通してプロレタリアート(労働者階級)の待遇改善や戦争反対などを主張し、生活に根ざした文化の創造を希求するものでした。

この小樽で成長した小林多喜二は、「プロレタリア文学」の作家として知られていますが、当時の運動は文学だけではなく、演劇・美術・音楽・映画など、さまざまな分野にまたがって展開された総合芸術運動でした。

特に、「プロレタリア演劇」の勢いはすさまじく、多くの観客が劇場・芝居小屋に足を運びました。演劇以外にも、全国各地で美術展や映画会・音楽会が開催されたり、読書サークルが作られたりしました。数万、あるいはそれ以上の人々が、こうした「プロレタリア芸術」の受容者となり、時にはこれを広めようとする運動に積極的に参加していったのです。

こうした広範囲に及ぶ大衆文化運動の中では、実に多くの「ビラ」や「チラシ」、「ニュース」「パンフレット」などが作成されました。本展は、そうした貴重な歴史資料を数多く収集した『昭和戦前期プロレタリア文化運動資料集』(丸善雄松堂 2017年)の刊行をきっかけとして企画されました。本館の池田壽夫旧蔵資料に加え、故浦西和彦氏所蔵(現在日本近代文学館所蔵)、法政大学大原社会問題研究所所蔵、札幌大学図書館所蔵の文化運動資料が一堂に会するまたとない機会です。  大衆文化運動を支えた無名の人々の熱い息づかいを、これらの展示資料の行間からお感じいただけますと幸いです。  本展覧会の開催にあたり、格別のご高配を賜った所蔵機関および関係各位に、心よりお礼申し上げます。】

展示構成

第1章 一枚のビラから見えてくる〝新たな世界〟

第2章 メディアの中の小林多喜二

第3章 大衆を動員せよ! ─プロレタリア演劇運動─

第4章 赤い筆 ─プロレタリア美術運動─

第5章 運動の最前線 ─地方でたたかう人々─

第6章 子供 ─未来の闘士たち─ 第7章 残された資料

会期:2019年7月6日(土)~8月18日(日)
休館日:月曜日(7月15日・8月12日は開館)、7月16日・17日(火・水)、8月13日・14日(火・水)

入館料:一般300(240)円、高校生・市内高齢者150(120)円、 ( )内は20名以上の団体割引料金

◎中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料

電話:0134-32-2388

協賛 法政大学大原社会問題研究所

協力 公益財団法人日本近代文学館・札幌大学・丸善雄松堂株式会社・六花出版株式会社

後援 小樽文學舎

講演会
●講演「駆け抜けていった人・多喜二の後ろ姿」伊藤 純 (プロレタリア文化運動研究者)

7月15日(月・海の日)13時30分より

●プロキノ作品上映と解説「『山本宣治告別式』『第12回 東京メーデー』ほか(全6編)」足立 元(二松学舎大学)

7月20日(土)17時30分より

●講演「再発見! 昭和の大衆文化運動」村田裕和 (北海道教育大学旭川校)

8月10日(土)13時30分より

会場・市立小樽文学館1階研修室 7月20日は文学館2階フリースペース

いずれも入場無料

この企画展はJSPS科研費 JP18H00621による研究成果の一部を公開するものです。