古代文学会5月例会(第713回)(2019年5月4日(土)午後2時〜5時、共立女子大学 神田一ツ橋キャンパス 本館823教室)
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http://kodaibungakukai.sakura.ne.jp/wp/kenkyuuhappyoukai/reikai/
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日 時 : 2019年5月4日(土)午後2時〜5時
場 所 : 共立女子大学 神田一ツ橋キャンパス 本館823教室
東京都千代田区一ツ橋2-2-1
東京メトロ「神保町」駅下車 A8出口から徒歩1分
https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/access/
※ゴールデンウィーク期間中のため、会場校の共立女子大学正面玄関は、13時~14時および17時~18時のみ開放しています。それ以外の時間の出入りは、通用口(防災センター脇)をご使用ください。通用口利用の際は、インターホンを押し警備員のかたに開けていただく必要があります(退出の際は、この限りではありません)。
発表者 : 山﨑かおり 氏
題 目 : 宮人の足結の小鈴 ―軽太子伝承の歌謡の一考察―
要 旨 :
允恭記において、軽太子は大前小前宿禰大臣の家に逃げ込み、弟の穴穂御子の軍に囲まれた。その時に詠まれた歌が、「大前 小前宿禰が 金門蔭 斯く寄り来ね 雨立ち止めむ」と「宮人の 足結の小鈴 落ちにきと 宮人響む 里人もゆめ」である。どちらも伝承との兼ね合いを考えると難解な歌謡であるが、「大前小前宿禰が金門蔭...」は実際に大氷雨が降っていたことをふまえつつ、穴穂御子が戦闘(雨)終了を望んでいることを比喩的に示したものとみるべきであろう。では「宮人の足結の小鈴落ちにきと...」はどう考えるべきか。従来説では、「宮人」を宮廷に仕える男性と捉えることが多いが、記紀において「宮人」は女性を指すことが多い。また、歌中の「小鈴」や直前の大前小前宿禰大臣の歌舞をふまえると、この歌謡には儀礼的・祭祀的な背景があると考えられる。その一方で、「足結」はこれから戦いに赴くことを象徴的に示す語でもある。すなわちこの歌謡は、祭祀的にも戦闘を鎮めたいという大前小前宿禰大臣の意図を寓意的に示したものではないか。「宮人振」という歌曲名にも注目しながら当該歌謡を検証したい。
司 会 :山崎健太 氏