東京言語研究所公開講座 河村 満氏「芸術を生みだす脳」(2019 年 2 月 23 日(土) 14:00~17:00、東京言語研究所、一般 2,000 円 学生,ラボ・テューター 1,500 円)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://www.tokyo-gengo.gr.jp/pdf/20190223.pdf

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※要申し込み。詳細は上記サイトへ。

【認知症や頭部外傷患者さんで症状の進行と共に言語機能が低下し、それと共に描画機能や手順・道順などがむしろ向上することがあります。これを獲得性サバン症候群と呼びます。これらは、ヒトの脳では言語機能と描画・手順・道順機能とが"おしくらまんじゅう"していることを示唆し、これは芸術を生み出す脳の仕組みとも関連します。
サバン症候群は元々自閉症児で知られ、向上する機能の内容は多岐にわたっています。例えば、記憶、描画、音楽、カレンダー計算(「何年、何月、何日は何曜日?」という質問に関する計算のこと)、知覚、時間認知などが知られています。少女ナディア、ダスティン・ホフマン主演の映画レインマンのモデルになったキム・ピークなどが典型例として有名です。自閉症児では、言語機能が獲得されるとこれらの能力は低下します。
獲得性サバン症例でも、自閉症でみられる様々な機能の亢進はそのままみられます。米国のオルランド・セレルや私たちが診た患者さんは頭部外傷例でしたが、頭部外傷後にカレンダー計算能力や絵画能力を獲得しました。とても不思議なことですが、際立った機能が生れる背景にはこのような、ヒトの脳の病的な機能低下が必要な場合があるのです。
芸術行為の基底にある創造性は、「でこぼこの脳が、おしくらまんじゅうして」生み出されているのかもしれません。】

<講師> 河村 満氏
(奥沢病院名誉院長/臨床神経心理学)
<日時>2019 年 2 月 23 日(土) 14:00~17:00
<会場>東京言語研究所
(新宿区大久保 1-3-21 新宿TXビル2階 ラボ教育センター内)
※新しい教室に移転しましたのでご留意ください
<参加費>一般 2,000 円
学生,ラボ・テューター 1,500 円
*2018 年度理論言語学講座受講生は 1000 円
※参加費は当日現金でお支払下さい。