古代文学会 12月例会(第706回)(2018年12月1日(土) 午後2時より5時まで、共立女子大学 神田一ツ橋キャンパス 本館 823教室)
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http://kodaibungakukai.org/
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日時 2018年12月1日(土) 午後2時より5時まで
場所 共立女子大学 神田一ツ橋キャンパス 本館 823教室
東京都千代田区一ツ橋2-2-1
東京メトロ「神保町」駅下車 A8出口から徒歩1分
https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/access/
発表 服部剣仁矢 氏
題目 恋の中の剣 ――『万葉集』巻四・604番歌の夢の暗示
要旨
『万葉集』巻四・604番歌は、夢中で剣大刀を身に取り添えると見たことが、逢瀬の暗示とされる歌である。そのため夢中の物事が如何に逢瀬の暗示となり得るかという点が、歌の読み解きの上で重要となる。先行論では、「大刀ハ男ノ具」であり、それを女が取り添えるは男に会うことの暗示である、とする『萬葉代匠記』の解釈が継承されてきた。上代文献において刀剣が男性と結びついていることは確かであり、その解釈で歌意に矛盾は生じない。ただ一方で、刀剣は万葉集中に少なからず詠みまれており、相聞的表現を担う例も少なくない。604番歌の「剣大刀」は、単に男の具とするだけでなく、万葉歌の恋の文脈の中でとらえる必要があるのではないか。この歌は集中に例の少ない暗示的な夢の歌であり、また笠郎女・大伴家持の贈答歌の一首であるなど、考慮すべき点が多いが、本発表では、まずは恋歌の文脈における刀剣という切り口から考えてみたい。
司会 保坂秀子 氏