中嶋 隆『西鶴『誹諧独吟一日千句』研究と註解』(文学通信)

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2月下旬の刊行予定です。

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中嶋 隆『西鶴『誹諧独吟一日千句』研究と註解』
ISBN978-4-909658-98-2 C0095
A5判・上製・336頁
定価:本体6,000円(税別)

西鶴の俳諧はあたかも絵画における習作デッサンのように、小説の場面に転化しうるような無数のコンテクストがイメージされる――。
延宝三年、中世以前にはない量とスピードという江戸時代の商品流通に伴った、新しい価値観のなか生まれた『誹諧独吟一日千句(はいかいどくぎんいちにちせんく)』。その時代と、発想の世界を研究と註解で縦横無尽に読み解き、解き明かす。

底本は野間光辰校注『定本西鶴全集』十巻(中央公論社、1954年)を用い、『天理図書館善本叢書39 談林俳諧集』(八木書店、1978年)所収の影印を参照。【句意】【注】【付合】【鑑賞】で丁寧に読み解く。

【コンテクストの複綜が、西鶴の俳諧と浮世草子とに共通すると先に述べたが、西鶴の想像力は前句から喚起される一場面にまず集中し、そこから詞をつむぎだす句作が始まる。あたかも絵画における習作デッサンのように、小説の場面に転化しうるような無数のコンテクストがイメージされる点に、西鶴の俳諧の特徴があった。】......「研究編」より

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【著者紹介】

中嶋 隆 (なかじま・たかし)

1952年、長野県生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。西鶴などの江戸時代文学を専門とする。主な研究書・注釈書に『西鶴と元禄メディア その戦略と展開』(NHKブックス、1994年/笠間書院、2011年新版)、『初期浮世草子の展開』(若草書房、1996年)、『西鶴と元禄文芸』(若草書房、2003年)、『都の錦集』(国書刊行会、1989年)、『世間子息気質・世間娘容気』(社会思想社、1990年)、『八文字屋本全集』(共編、汲古書院、1992〜2013年)、『浮世祝言揃』(太平書屋、2010年)など。小説に『廓の与右衛門 控え帳』(2007年、第8回小学館文庫小説賞受賞)、『はぐれ雀』(小学館、2014年)。

【目次】

研究編

1 文化的背景
2 西鶴の俳書出版
3 『誹諧独吟一日千句』の創意
4 『誹諧独吟一日千句』の「無心所着」
5 『誹諧独吟一日千句』の付合 
6 『誹諧独吟一日千句』の小説的俳諧――『冬の日』からの照射――

註解編

凡例
西鶴『誹諧独吟一日千句』序註解
西鶴『誹諧独吟一日千句』第一註解
西鶴『誹諧独吟一日千句』第二註解
西鶴『誹諧独吟一日千句』第三註解
西鶴『誹諧独吟一日千句』第四註解
西鶴『誹諧独吟一日千句』第五註解

参考文献

索引
 句
 人名
 書名
 事項・語彙

【凡例】
校訂...注解にあたっては、以下の方針によった。
一、底本には野間光辰校注『定本西鶴全集』十巻(中央公論社 一九五四)を用い、『天理図書館善本叢書39 談林俳諧集』(八木書店 一九七八)所収の影印を参照した。
一、漢字は常用字体を原則にしたが、一部には異体字や旧字を用いた。
一、仮名の濁点は適宜補ったが、別な解釈が可能と思われる箇所には【注】に原文の表記を記した。
一、季のあとの( )には季語、漢数字で句数を記した。「恋」については、漢数字でその句数を記した。「月」「花」の定座については、その句に「月」「花」が詠みこまれない場合には、( )でくくった。
一、〈頭注〉は、野間光辰校注『定本西鶴全集』十巻の頭注をさす。
一、【付合】の付け物はおおむね『類舩集』に拠った。( )でくくったのは、直接句には出ないが、『類舩集』に載る、その句に関連した詞である。
一、句の順を示す略号は、以下の通りである。
  (初表)「初折」の表  (初裏)「初折」の裏 
  (二表)「二の折」の表  (二裏)「二の折」の裏
  (三表)「三の折」の表 (三裏)「三の折」の裏 
  (名表)「名残の折」の表 (名裏)「名残の折」の裏