ハルオ・シラネ編『東アジアの自然観 東アジアの環境と風俗』東アジア文化講座4(文学通信)

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3月上旬刊行予定です。

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ISBN978-4-909658-47-0 C0320
A5判・並製・カバー装・432頁
定価:本体2,800円(税別)


前近代の東アジアの交流を学び、今に活かす!
東アジアの文化と文学の交流を学ぶシリーズ、東アジア文化講座第3巻。

中国からひろまった漢字漢文にもとづく思想や文化は、日本だけでなく、各地域でどのように展開し、継承と反発をくり返し、独自のものに再創造されたのか。
中国、朝鮮半島、日本、琉球、ベトナムなど、これらの交流圏にあった十九世紀以前の前近代の東アジアを俯瞰し、論じていく。
東アジアと日本、世界を接続して考え、問い直していくシリーズ、東アジア文化講座。
これからの東アジアを生き抜くヒントがここにある。

第3巻は東アジアの環境と風俗をテーマに、「地理、気候、文化」「四季の文化と詩歌―二次的自然の世界」「風俗と文化」「食文化と文芸」「年中行事と芸能」などの問題を設定し、東アジアの自然観を論じていく。自然とは何か、根源的に考える際に必須の一冊である。

執筆は、ハルオ・シラネ/小峯和明/北條勝貴/宮崎順子/陸晩霞/錦 仁/佐伯真一/野田研一/李愛淑/堀川貴司/多田伊織/井戸美里/宮崎法子/天野雅郎/平松隆円/小山弓弦葉/堀口悟/崔京國/Nguyen Thi Lan Anh/渡辺憲司/山本ゆかり/原田信男/伊藤信博/石塚修/劉暁峰/野村伸一/韓正美/松尾恒一/諏訪春雄/山田恭子/斎藤英喜/安井眞奈美/西岡健治/鍋田尚子の34名。

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【編者紹介】

ハルオ・シラネ

コロンビア大学教授。『創造された古典 カノン形成・国民国家・日本文学』(新曜社)、『芭蕉の風景 文化の記憶』(角川書店)、『夢の浮橋 『源氏物語』の詩学』(中央公論社)、『四季の創造 日本文化と自然観の系譜』(角川選書)、『越境する日本文学研究 カノン形成・ジェンダー・メディア』(編著、勉誠出版)、『世界へひらく和歌 言語・共同体・ジェンダー』(編著、勉誠出版)、『環境という視座』(編著、勉誠出版)、『日本文学からの批評理論 アンチエディプス・物語社会・ジャンル横断』(編著、笠間書院)など。

【目次】

序 環境と二次的自然●ハルオ・シラネ
はじめに
日本における二次的自然
第一部 地理、気候、文化
第二部 四季の文化と詩歌
第三部  風俗と文芸
第四部  食文化と文芸
第五部  年中行事と芸能
おわりに

第1部 地理、気候、文化

01 海と島の文学誌●小峯和明
1 日本海から東シナ海へ
2 中央と辺境の座標軸
3 対馬の地政学
4 五島列島―みみらくの島からキリシタンの島へ
5 「ちくらが沖」と「入唐道」―海の境界
6 朝鮮半島の多島海と済州島(耽羅)
7 海南島の鑑真と蘇東坡

02 山と森の文化史―山林にて、虎と遭う●北條勝貴
1 はじめに―中国の自然環境とトラ
2 虎を呪う/虎で呪う―山林の生業・信仰から
3 虎に変わる/虎を変える―志怪・伝奇とトラのエスノグラフィー
4 おわりに―〈素材化〉の果て

03 風水と文化―風水術の持つ宗教性●宮﨑順子
1 はじめに
2 理気派風水における神格の存在
3 形法風水術における祖先・死後の世界へのまなざし
4 謝土・斬草―土地神の解除―祟る土地神
5 おわりに

04 隠遁思想と文芸―山から都会へ●陸晩霞
1 はじめに
2 山林隠逸の伝統から山水清き処への遁世へ
3 「大隠」意識と心の隠遁
4 都会の中に作られる山林
5 おわりに

05 歌枕と名所―湯殿山から象潟へ●錦仁
1 歌枕と名所
2 名所をめぐる旅
3 湯殿山から象潟へ―西行の歩いた道
4 地方における名所の意義
5 杉山廉の名所観
6 おわりに

06 災害と文学●佐伯真一
1 はじめに
2 中国の天人相関思想と日本
3 日本の災害観
4 日本の災害観と鎌倉時代の文学
5 おわりに

07 女と妖怪―うぶめを中心に●安井眞奈美
1 出産と妖怪
2 東アジアにおける産死者の妖怪
3 恐怖の存在としての女?

08 脱人間中心主義の文学―石牟礼道子の《魂の秘境》●野田研一
1 石牟礼道子にとって自然物とはなにか?
2 「形影相伴う」世界
3 『春の城』(一九九九年)―アニマと横溢する自然物

第2部  四季の文化と詩歌―二次的自然の世界

01 詩歌と物語の四季―〈冬の夜〉を中心に●李愛淑
1 はじめに
2 『古今集』の冬
3 『源氏物語』の冬の夜
4 朝鮮王朝の詩歌から
5 おわりに

02 詩歌と絵画・画賛の文化―日本中世禅林を中心に●堀川貴司
1 詩と書と画
2 画賛研究の意義
3 瀟湘八景
4 日本への移入と普及
5 瀟湘八景詩の例
6 富士山
7 宋濂作品における表現
8 富士山の画賛詩
9 おわりに

03 庭園の意匠―古代インド・東アジアの方形池をめぐって●多田伊織
1 はじめに
2 古代中国の庭園と王権
3 古代中国の方形池
4 古代朝鮮半島の方形池
5 日本の方形池
6 仏教の池
7 浴池の語の例
8 梵本と漢訳 二つのSukhāvatī-vyūha
9 弥勒浄土「兜率天」の池の描写
10 南朝の寺院と喜捨
11 おわりに

04 屛風絵と貴族社会●井戸美里
1 はじめに
2 屛風絵の空間―寝殿造の空間を彩る調度
3 花鳥画の吉祥性と装飾性
4 東アジアを往還する花鳥画

05 季節の哲学―麻衣、着れば懐かし●天野雅郎
1 季節の感触
2 季節の誕生
3 季節の更新
4 季節の循環
5 季節の黄昏

06 歳寒三友と四君子●宮崎法子
1 はじめに
2 歳寒三友
3 松竹梅にまつわる記憶
4 四君子
5 墨竹、墨梅、墨蘭
6 おわりに

第3部 風俗と文化

01 化粧・髪型と文化●平松隆円
1 はじめに―なぜ人は化粧をするのか
2 化粧は誰が行うものなのか
3 化粧の起源としてのイレズミ
4 イレズミ以外の古代の化粧
5 化粧は赤から白へ
6 大陸の化粧方法の影響
7 化粧の通文化性と固有性

02 染織の模様と文化●小山弓弦葉
1 はじめに
2 先史時代における染織文化の交流
3 七世紀から八世紀におけるコスモポリタニズム
4 中世における東アジアの染織文化
5 宋元以後における中国と日本の特性
6 おわりに

03 香と文化●堀口悟
1 はじめに
2 家康と王朝文化
3 沈香の交易と政権
4 家康の「香」輸入
5 おわりに

04 都市図の発達と風俗画●崔京国
1 張択端『清明上河図』
2 画題としての「清明上河図」
3 朝鮮における『清明上河図』
4 『清明上河図』と『太平城市図』
5 『清明上河図』と『洛中洛外図』
6 消費される風俗

05 肥前磁器に描かれた文様と古典文学●Nguyen Thi Lan Anh
1 はじめに
2 肥前磁器について
3 文学と肥前磁器に描かれたモチーフ

06 妓女と遊女の文化●山田恭子
1 妓女と遊女
2 朝貢としての妓女
3 妓女の賎人化
4 妓女の生活文化と年中行事
5 妓女の精神文化と儒教

07 境界を越える名妓吉野●渡辺憲司

1 花供養
2 世之介と吉野
3 『色道大鏡』
4 長崎の遊女

08 春画●山本ゆかり

1 はじめに
2 中国の春画
3 中国の房中書と春画
4 房中書の伝来と日本の偃息図
5 中国の春画と浮世絵
6 朝鮮の春画

第4部 食文化と文芸

01 食文化と料理●原田信男
1 はじめに―東アジアの食文化
2 日本の食文化の特色
3 日本的料理文化の成立と展開
4 北海道・沖縄と東アジア

02 米や酒そして作物―韓国と日本の比較を通して●伊藤信博
1 はじめに
2 室町時代における大唐米
3 日本と朝鮮半島の酒造りについて
4 おわりに

03 茶の文化と文芸●石塚修

1 はじめに
2 『類舩集』にみられる中国茶文化
3 文人を演出する茶
4 おわりに

04 年中行事と食―『宇多天皇御記』にみる●劉暁峰
1 はじめに
2 十月初亥餅に見られる節日の原理
3 「縁起が良い」の原理と「縁起が悪い」の原理
4 偉大になる高辛氏
5 古代中国の「神々の流竄」
6 三月三日の桃花餅にまつわる未解決の謎

05 ベトナムの竈神●鍋田尚子
1 はじめに
2 ベトナムの竈神
3 ベトナム各地域の竈神
4 おわりに

第5部 年中行事と芸能

01 東アジアの儺―鬼神往還祭儀●野村伸一
1 東アジアの儺
2 大儺
3 東アジアの民間の儺の諸相
4 おわりに―オニも内へ

02 年迎えと祖霊祭祀―古代からの伝承・歴史と現代●松尾恒一
1 「年」と稲作祭祀
2 火の継承
3 餅と生命の更新
4 儺儀と方相氏
5 西洋における〝新年〟
6 日本の華僑社会の先祖祭祀「普度」と餓鬼王〝焦面大士〟
7 航海安全の女神〝媽祖〟と海賊、普度・先祖祭祀

03 舞・踊り・歌謡●諏訪春雄
1 舞と踊りと振り
2 かたりとはなしとうた
3 シャーマンの演じる芸能・演劇

04 シャーマンと芸能―折口信夫を読み直すために●斎藤英喜
1 読み直される折口学と「アジア」
2 異形の神・安曇磯良
3 「中世神楽」の世界へ

05 政治と怨霊、鎮魂―怨霊となった崇徳院と端宗●韓正美
1 はじめに
2 崇徳院と端宗の生い立ち
3 崇徳院を取り巻く政治
4 端宗を取り巻く政治
5 崇徳院・端宗の祟りと鎮魂
6 おわりに

06 パンソリと浄瑠璃の「語り」●西岡健治
1 はじめに
2 「語り」の発生と〈ことだま論〉
3 「語り」の舞台と上演作品

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